1972年度 2B 和文英訳(逗子の別荘へ)
完全本文・文別TTS音読・英和対訳・詳細構文解説付き| 英語(タップで発音) | 日本語意味 |
|---|---|
| Zushi | 逗子(神奈川県の市名) |
| Hayama | 葉山(神奈川県の町名) |
| beachgoer | 海水浴客、浜辺を訪れる人 |
| liquor store | 酒屋 |
| villa | 別荘 |
- 日本語を「そのまま」訳さず、英語の発想に組み替える: この問題は主語の省略(入った/向かい/左折)、存在表現(酒屋があった)、受身の埋め込み(言われていた)、状態の描写(近かった)など、日本語特有の言い回しが多く含まれます。「誰が・何が」を補い、英語で自然な構文に置き換える力が問われます。
- 時制の一貫性(物語は過去形): 「入った」「あった」は過去の出来事ですが、「夏場とはちがって、どこもひっそりしている」は日本語では現在形で書かれています。模範英文では、夏場の一般的な様子は現在形(is crowded)、そのときの様子は過去形(were quiet)と使い分けています。
- 情報を落とさない(減点回避): 「やがて」「言われていた」「どこも」のように訳し落としやすい要素がないか、日本文と英文を一語ずつ照合しましょう。
- 分詞構文は主語の一致を確認: Heading toward Hayama, I turned left … / Turning the corner of the store, I found … はいずれも主節の主語 I が分詞の意味上の主語です。主語がずれると誤りになります。
- 基本構文で書く: It takes 時間 to V、be crowded with、find O C、関係副詞 where など、確実に書ける基本構文で組み立てると、文法ミスのリスクを抑えられます。
| 英語(タップで発音) | 日本語意味 |
|---|---|
| It takes ... to do | 〜するのに(時間が)かかる |
| about an hour and a half | 約1時間半 |
| enter | 〜に入る(他動詞) |
| Zushi city | 逗子市(市内) |
● 所要時間を表す It takes … to do: 日本語は「一時間半ほどで〜に入った」と手段・所要時間を副詞的に述べていますが、英語では It took about an hour and a half to enter ... の形式主語構文に組み替えるのが定番です。It は形式主語、真主語は to enter Zushi city です。「〜で(in)」と直訳して in about an hour and a half としても通じますが、その場合は主語 I などを補う必要があります。
● an hour and a half の語順と冠詞: 「1時間半」は an hour and a half で、冠詞 an が先頭に付きます(a hour は誤り。hour は母音で始まる発音)。one and a half hours と書くこともできますが、その場合は hours と複数形になります。about は数量表現の前に置きます。
● enter は他動詞: enter は「〜に入る」という意味で、直後に目的語を直接取ります(enter Zushi city)。enter into Zushi city や enter to Zushi city と書くのは誤りです(enter into 〜 は「〜を始める、〜に参加する」などの別の意味になります)。
● 時制: 日本文末の「入った」に合わせて過去形 took にします。物語全体が過去の語りなので、以降も基本は過去形で進みます。
| 英語(タップで発音) | 日本語意味 |
|---|---|
| in the summer | 夏には、夏場は |
| be crowded with | 〜で混雑している、〜でごった返している |
| beachgoers | 海水浴客(beachgoer の複数形) |
| at that time | そのとき、当時 |
| quiet | 静かな、ひっそりとした |
● 「〜とはちがって」の処理(対比の but): 「海水浴客でごった返す夏場とはちがって、どこもひっそりしている」は、In the summer ... is crowded with beachgoers, but at that time ... were quiet と、前半と後半を等位接続詞 but でつないだ対比構文に組み替えています。different from を使うと文が重くなりやすいため、but による対比が書きやすい処理です。
● 時制の使い分け(現在形 is / 過去形 were): 「夏場の様子」は毎年繰り返される一般的な事実なので現在形 is crowded。「そのとき(訪れたとき)の様子」は過去の一回の出来事なので過去形 were quiet です。at that time という語句が、過去の時点を指し示す目印になります。
● be crowded with 〜 の前置詞: 「〜で混雑している」は be crowded with 〜。with の代わりに by や of を使うのは誤りです。ここでは受動態というより状態を表す形容詞的な表現と捉えると自然です。
● beachgoers という複合名詞: beach + goer(行く人)で「海水浴客」。同じ作りの語に moviegoer(映画ファン)、churchgoer(教会に通う人)があります。複数の客を指すので -s が付きます。
● 「どこも」の訳し方に注意: 模範英文は all the things were quiet です。ただし things は「物事」を表す語なので、「場所全体が静か」という意図とはずれやすい表現です。参考として、より自然な言い換えに everything was quiet、everywhere was quiet、the whole town was quiet などがあります。なお「どこも」は city の様子を述べているので、the city を主語にする発想も有効です。
| 英語(タップで発音) | 日本語意味 |
|---|---|
| head toward | 〜の方へ向かう |
| Hayama | 葉山 |
| turn left | 左折する、左に曲がる |
| liquor store | 酒屋 |
| on the right | 右手に、右側に |
● 分詞構文 Heading toward Hayama: 「葉山方面に向かい」は、Heading toward Hayama, I turned left ... という分詞構文(付帯状況・時)で処理しています。分詞の意味上の主語は主節の主語 I で、「葉山方面に向かっていて、左折した」という流れになります。主語が一致しているので、いわゆる懸垂分詞にはなりません。
● head は自動詞、方向は toward: 「〜方面へ向かう」は head toward 〜(または head for 〜)。方向を表す前置詞 toward を使うのがポイントで、到達を含意する to は不向きです。
● turned left と found の並列: I turned left and found ... は、同じ主語 I を共有する過去形動詞の並列です。turn left の left は副詞的に働いており、turn to the left と書くこともできます。
● 存在表現「あった」を found に転換: 日本語の「右手に酒屋があった」は存在を表す文ですが、英語では I found a liquor store on the right(右手に酒屋を見つけた)と、人を主語にした視点に切り替えています。there was a liquor store on the right でも内容は伝わりますが、前後の主語 I と揃えると文章に統一感が出ます。
● 「やがて」と liquor store: 「やがて」は eventually や soon などで補えますが、模範英文では動作の連続を and でつないで表現しています。liquor store はアメリカ英語の「酒屋」で、イギリス英語では off-licence とも呼ばれます。
| 英語(タップで発音) | 日本語意味 |
|---|---|
| where | 〜する(場所)(関係副詞) |
| should | 〜すべきだ、〜するとよい |
| ask | 尋ねる、聞く |
| get lost | 道に迷う |
● 関係副詞 where の用法: the store where you should ask ... の where は、先行詞 the store を受ける関係副詞で、the store at which you should ask と言い換えられます。関係副詞の後ろには「完全な文」(you should ask ...)が続く点を確認しましょう(関係代名詞なら不完全な文)。
● 総称の you: ここでの you は特定の相手ではなく「(誰でも)道に迷ったら」という一般の人を指す総称用法です。日本語の「(私は)言われていた」は、一般的な助言 you should ask に転換されています。
● if 節の時制: if you get lost は条件を表す副詞節で、未来の内容でも現在形で書きます。ここでは助言という一般的な内容なので、過去の文 It was の中でも現在形 get が使われています。
● 「言われていた」の扱いに注意: 日本文の「そこで聞くように言われていた」には受身の情報(誰かに言われていた)が含まれます。模範英文は you should ask という一般的助言の形でこれを処理していますが、原文に忠実に書くなら I had been told to ask there if I didn't know the way のように大過去(過去完了)の受身を使う方法もあります。
● 「道がわからぬ」と get lost: get lost は「道に迷う」という意味の定型表現です。「道がわからない」に近い直訳は don't know the way で、どちらも成り立ちます。
| 英語(タップで発音) | 日本語意味 |
|---|---|
| turn the corner | 角を曲がる |
| corner | 角、曲がり角 |
| villa | 別荘 |
| close | 近い(形容詞) |
| find O C | OがCだとわかる、気づく |
● 分詞構文 Turning the corner ...: 「角を曲ると」は、時を表す分詞構文 Turning the corner of the store, I found ... で表現しています。分詞の意味上の主語は主節の主語 I で、「角を曲がったとき、私は〜だとわかった」という流れです。When I turned the corner of the store, ... と書き換えても同じ意味になります。
● turn the corner は他動詞用法: turn が「〜を曲がる」という意味で直接目的語 the corner を取ります。前置詞 at や around を付けて turn at the corner とすると「その角で曲がる」という意味に変わるので、使い分けに注意しましょう。the corner of the store は「店の角」です。
● 第5文型 find O C: I found the villa close は find + O + C(OがCだとわかる)の第5文型です。O = the villa、C = close(形容詞)の関係で、the villa is close という主述関係が成り立っています。日本語の「別荘は近かった」という状態を、「近いとわかった」という発見の視点に転換した処理です。found that the villa was close とも書けます。
● close の発音と品詞: 形容詞・副詞の close は [klóus] と発音し、「閉める」を意味する動詞 close [klóuz] と語末の発音が異なります。この文の close は形容詞なので [klóus] で読みます(このページの音読では発音を調整しています)。
ポイント:
・「〜とはちがって」を but による対比構文に組み替える
・夏場の一般的な様子は現在形 is crowded、そのときの様子は過去形 were quiet と、時制を使い分ける
・be crowded with 〜(〜で混雑している)の前置詞は with
・「海水浴客」は beachgoers(beach + goer)
・「どこも」の処理は、everything / everywhere / the whole city など、より自然な表現も検討する
ポイント:
・先行詞 the store を関係副詞 where で受ける(where の後ろは完全な文)
・「言われていた」は総称の you と should を用いた助言の形で処理(原文に忠実に書くなら I had been told to ask there ...)
・条件の if 節は未来的な内容でも現在形(if you get lost)
・分詞構文 Turning the corner ... の意味上の主語は主節の主語 I
・find O C(第5文型)で「別荘が近いとわかった」と発見の視点に転換する
・Sentence 3: Heading toward Hayama, I turned left and found a liquor store on the right.(分詞構文 / 存在表現「あった」を found に転換)

