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《京大1992》省略を補完して読み解く英文解釈|音読付

【18】省略






《京都大学1992[1]》省略をすべて補完して読み解く英文構造|英語表現解説


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《京都大学1992[1]》省略をすべて補完して読み解く英文構造

挿入句・分詞構文・比喩表現に隠された「省略」をあぶり出し、難構文を完全制覇する

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まず原文と補完文を見比べよう

京都大学の入試問題で出題されたこの一文は、挿入句や接続詞の直後に大胆な「省略」が施されており、英文の骨組み(骨格)が見えにくくなっています。省略されている要素をすべて元の形に復元(補完)すると、英文の組み立てが驚くほど鮮明に見えてきます。

京大本番の原文(省略あり)
It is as though they had invented a way, perhaps made necessary by the vastnesses of their country, of communicating, as though by satellite, long before the things were ever fired into the sky.
オーストラリア人は、恐らく国土の広さからくる必要に迫られたのだろうが、衛星が空に打ち上げられるよりずっと前に、まるで衛星を経由するかのようなコミュニケーションの方法を、編み出していたかのようである。
省略要素を完全補完した文
It is as though they had invented a way [which was] perhaps made necessary by the vastnesses of their country, [a way] of communicating, as though [they were communicating] by satellite, long before the things were ever fired into the sky.
[関係代名詞+be動詞]や[直前の名詞の反復]、[as though内の主語+動詞]を補うと、全体の結びつきが一目瞭然になります。
構造のポイント
この文が難しく感じる最大の原因は、a way とそれに続く前置詞句 of communicating の間に、長い修飾語句(挿入句)が挟み込まれて引き離されている点にあります。さらに as though by satellite の中にも主語と動詞が省略されているため、補完しながら読む力が問われます。

1. 英文内に隠された3つの省略を徹底補完

どの部分に何が省略されているのか、パーツごとに丁寧にひも解いていきましょう。

省略 1
関係代名詞主格 + be動詞
a way, [which was] perhaps made necessary by the vastnesses of their country, of communicating
おそらく国土の広大さによって必要とされた(方法)
解説:
名詞 a way の直後に過去分詞 made が続いています。ここには関係代名詞とbe動詞である which was が省略されています(分詞の後置修飾)。
元の能動態の形は the vastnesses made a way necessary(国土の広大さがその方法を必要不可欠にした)という第5文型(SVOC)であり、それが受動態になって a way を後ろから修飾しています。
省略 2
名詞の引き離しと修飾関係
a way … of communicating
コミュニケーション(伝達)の方法
解説:
本来は a way of communicating(意思疎通の方法)という直結したつながりです。しかし、a way の直後に perhaps made necessary… という10語近い挿入句が入り込んだため、of communicating が後ろへ押し出されています。
頭の中で a way [which was perhaps made necessary…] [a way] of communicating と、名詞 a way を二重に受けるイメージで補完すると意味がすっきりと通ります。
省略 3
as though の後の主語と動詞
as though [they were communicating] by satellite
まるで彼らが人工衛星によって交信しているかのように
解説:
本文では as though by satellite と前置詞句だけがポンと置かれています。
接続詞 as though(=as if:まるで〜であるかのように)の後ろには本来「主語+動詞」からなる節が続きますが、前の文脈から言いたい動作が明らかな場合、主語と動詞(ここでは they were communicating)が省略されて副詞句だけが残ることがよくあります。

2. 短い例文で省略パターンをマスターしよう

日常会話や標準的な入試英文でも頻出する省略の形を、短い例文で練習してみましょう。

基本例文 1
as though + 前置詞句の省略
He nodded as though in agreement.
彼はまるで同意しているかのようにうなずいた。
省略の補完:He nodded as though [he were] in agreement. のように、主語とbe動詞が省略されています。
類似表現
She looked at me as if in surprise.
彼女はまるで驚いたかのように私を見た。
基本例文 2
関係詞+be動詞の省略(挿入)
This is a book, written in simple English, for beginners.
これは、平易な英語で書かれた、初心者のための本です。
省略の補完:This is a book, [which is] written in simple English, for beginners. と補完できます。名詞 book に対して for beginners が離れて置かれています。
類似表現
We adopted a plan, proposed by Ken, to cut costs.
私たちは、ケンによって提案された、コスト削減のための計画を採用した。
基本例文 3
仮定法過去完了の帰結
It is as though they had anticipated everything.
まるで彼らはすべてを予期していたかのようだ。
表現のポイント:現在の推量(It is)に対して、過去の事実に反する仮定(彼らは実際には予期していなかった)を表すため、had + 過去分詞(仮定法過去完了)が使われています。
類似表現
It seems as if they had known each other for years.
まるで彼らは何年も前からお互いを知っていたかのようだ。

3. 語源と背景知識

なぜオーストラリアで「衛星のような通信」が必要だったのか、背景を押さえると記憶に定着します。

背景解説
豆知識
the vastnesses of their country
彼らの国の広大さ(途方もない広さ)
オーストラリアは日本の約20倍という広大な大陸ですが、内陸部(アウトバック)は人口密度が極めて低く、隣家まで数百キロ離れていることも珍しくありません。

20世紀前半、人工衛星(the things = satellites)はおろか通信網も未発達だった時代に、オーストラリアではペダルを踏んで発電する無線機を使った「遠隔航空医療サービス(Flying Doctor Service)」や「空の学校(School of the Air)」が発達しました。何もない荒野を越えて数千キロ離れた人々が電波で瞬時につながる様子を、筆者は「まるで人工衛星が打ち上げられるずっと前に、衛星通信のやり方を編み出していたかのようだ」と驚きを込めて表現しています。

4. 構文の整理テーブル

原文の構造と、省略を補完した構造の対応関係を一覧表で整理しましょう。

原文の該当箇所 補完される要素 文法的な役割
perhaps made necessary
恐らく必要とされた
[which was] perhaps made necessary 関係代名詞主格+be動詞の省略(a way を修飾する過去分詞節)。
a way … of communicating
伝達の方法
a way [挿入句] [a way] of communicating 名詞 a way と同格の前置詞句 of communicating が挿入句によって分離。
as though by satellite
まるで衛星によるかのように
as though [they were communicating] by satellite 接続詞 as though の後の「主語+動詞」の省略。
the things were ever fired
それらが空に打ち上げられる
the things = satellites 直前の satellite を指す代名詞的名詞。反復を避けるための名詞代用。

語彙・表現リスト

重要単語と表現のまとめです。タップして音読してみましょう。

番号 英語 日本語
01
as though
まるで〜であるかのように(=as if)
02
invent
〜を考案する、編み出す、発明する
03
vastness
広大さ、広漠(複数形で広大な広がり)
04
communicate
意思疎通を図る、通信する
05
satellite
人工衛星、衛星
06
fire into the sky
空へ打ち上げる、発射する
07
long before
〜よりずっと前に
08
make necessary
〜を必要とさせる、余儀なくさせる
09
ever
かつて、これまでに(強調)
10
nod
うなずく

最後の確認

まとめ
難関大の入試長文で文構造が見失いそうになったときは、「本来あるはずの要素が省略されていないか」「主語と動詞、名詞と修飾語が離れていないか」を疑うのが最大の鉄則です。今回の文のように a way [which was] made necessary…, of communicating や as though [they were communicating] by satellite と頭の中で補完して読めるようになると、どんな複雑な英文も一瞬でクリアに見通せるようになります。

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