「主語と動詞の一致」を完全攻略
大学入試で必須となる一致のルール・頻出パターンを徹底解説
まず全体のルールと全体像
英文法における「主語と動詞の一致(Subject-Verb Agreement)」とは、動詞の形(特に現在形における三人称単数の -s)を、主語の人称・数(単数か複数か)に合わせるという規則です。大学入試では、単純な数の一致だけでなく、修飾語句に惑わされない判断力、相関表現における「近接の原則」、集合名詞や部分表現の扱いなど、応用的な識別力が問われます。
1) 基本原則:主語の数に動詞を合わせる
現在形の文では、主語が三人称単数のとき動詞に -(e)s をつけます。まずはこの基本を正確に確認しましょう。
・My brother(単数)→ plays
・his friends(複数)→ play(原形のまま、-sはつけない)
① 主語と動詞の間に修飾語句が入る場合
・真の主語は The list(単数)であり、直前の guests(複数)に惑わされてはいけない。動詞は was を選ぶ。
・入試では、主語の直後に of 句や関係詞節など長い修飾語句が続くパターンが頻出する。まず主語の核となる名詞(主要語)を見抜くことが最優先。
② with / together with / as well as / in addition to などが挟まる場合
・together with、as well as、in addition to、along with、no less than などはいずれも接続詞ではなく前置詞(句)扱いのため、これらに続く名詞は動詞の一致に影響しない。
・主語はあくまで The teacher(単数)であり、動詞は was となる。
2) 相関表現による一致
複数の主語が特定の語で結ばれる場合、その結び方によって単数・複数の扱いが変わります。特に or・nor 系の表現では「近接の原則(動詞に近い方の主語に一致させる)」が重要です。
① and で結ばれた主語 → 原則として複数扱い
・Tom and Mary のように and で結ばれた別々の主語は複数扱いとなり、動詞は are。
・一方、bread and butter(バターを塗ったパン)のように、and で結ばれた語が一つの観念・一体のものを表す場合は単数扱いとなり、動詞は is。同様の例:a watch and chain(鎖付きの時計)、curry and rice(カレーライス)。
② or / nor / not only ~ but also ~ など → 近接の原則
・either A or B、neither A nor B、not only A but also B(= B as well as A)では、動詞の数は直前の主語(B)に一致させる。
・上の例文では、動詞に近い he(単数)に合わせて is、また近い the teacher(単数)に合わせて was となる。
③ each / every / everyone・everybody・someone・no one など → 単数扱い
・Each、Every は後ろの名詞が単数形になり、動詞も単数扱い。Every boy and girl のように every が and で結ばれた語にかかる場合も、全体で単数扱い(動詞は was)となる点に注意。
・Everyone、everybody、someone、somebody、anyone、anybody、no one、nobody も常に単数扱い。
④ each of / either of / neither of + 複数名詞 → 単数扱い
・Neither of the answers のように of の後ろが複数名詞であっても、主語の核は Neither(単数扱いの代名詞)なので動詞は is となる。each of、either of も同様。
⑤ many a + 単数名詞 → 単数動詞
・Many a student は「多くの〜」という意味だが、形の上では単数名詞が続き、動詞も単数扱い(has)になる。意味は複数でも形は単数、という入試頻出の例外パターン。
3) 集合名詞(Collective Noun)の一致
family、team、staff、audience、committee、government などの集合名詞は、一つのまとまりとして捉えるときは単数扱い、構成員一人ひとりの個別の行動に着目するときは複数扱いになります。
・「大家族だ」という一つのまとまりとして捉える場合は is(単数扱い)。
・「家族の一人ひとりが元気だ」という個々の構成員に着目する場合は are(複数扱い)。同様の語:team、staff、audience、class、committee、government。
・The police(警察)は常に複数扱い:The police are investigating the case.(警察はその事件を捜査中だ)。
・people(人々)は常に複数扱いだが、peoples(諸民族)は可算名詞として単数・複数の両方の形をとる。
4) 部分・数量を表す表現の一致
「〜のうちの…」「〜の数」といった部分・数量を表す表現では、of の後ろの名詞に一致させるものと、表現自体の形で数が固定されるものがあります。
① most of / some of / half of / a lot of / ~ percent of など
・Most of the students は of の後ろが複数名詞なので動詞は are。Half of the cake は of の後ろが単数(不可算)名詞なので動詞は was。
・同じルールが適用される表現:some of、a lot of、lots of、the rest of、〜 percent of、none of。
② a number of と the number of の区別
・A number of + 複数名詞=「多数の〜」という意味で、主語の中心は複数名詞なので動詞は複数形(were)。
・The number of + 複数名詞=「〜の数」という意味で、主語の中心は number(単数)なので動詞は単数形(has)。
③ 時間・距離・金額・重さなどのひとまとまりの数量 → 単数扱い
・Ten years、Five thousand yen は複数形の名詞を含むが、時間・金額の合計・総量という一つのまとまりを表すため、単数扱いとなり動詞は is となる。
5) 動名詞・to不定詞・that節・疑問詞節が主語の場合
動名詞句、to不定詞句、that節、疑問詞節(間接疑問文)が主語になる場合、内容が複数的に見えても常に単数扱いとなります。
・Reading books(動名詞句)、That he passed the exam(that節)、What he said(疑問詞節)は、いずれも「〜すること」「〜ということ」という一つのまとまった内容を表すため単数扱いとなり、動詞は is・surprised・was となる。
6) There is / There are 構文の一致
There is / There are の構文では、there の後ろに続く名詞(真主語)の数に be動詞を一致させます。
・there は文法上の形式主語にすぎず、真の主語は be動詞の直後の名詞。a book(単数)→ is、many books(複数)→ are。
・複数の名詞が and で並ぶ場合、直後(一番近い)の名詞の数に合わせて be動詞を選ぶことが多い点にも注意(例:There is a pen and two pencils on the desk.)。
7) 見かけの形と実際の扱いが異なる名詞
語尾が -s で終わっていても単数扱いになる語、逆に単数形に見えても常に複数扱いになる語は、大学入試の語彙・文法問題で頻出します。
| 語・分類 | 扱い | 例 |
|---|---|---|
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mathematics, physics, economics, politics
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-icsで終わる学問名は単数扱い |
Mathematics is difficult.
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news
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語尾が-sでも常に単数扱い |
No news is good news.
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means, series, species
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単複同形。文脈の数で判断 |
A means is available. / Two means are available.
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the police, the rich, the poor
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the + 名詞・形容詞は「人々」を表し複数扱い |
The rich are not always happy.
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a series of books / the United States
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見かけが複数形でも一つのまとまり・固有名詞として単数扱い |
The United States is a large country.
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文法まとめ表
主語と動詞の一致における主要パターンを整理しました。
| パターン | 一致のルール | 代表例 |
|---|---|---|
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主語+修飾語句
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修飾語句を無視し、真の主語(主要語)の数に一致 |
The list of guests was long.
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or / nor 系相関表現
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近接の原則:動詞に近い方の主語に一致 |
Either you or he is right.
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a number of / the number of
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a number of は複数扱い、the number of は単数扱い |
A number of students were absent.
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動名詞・to不定詞・that節・疑問詞節
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主語になる場合は常に単数扱い |
Reading books is my hobby.
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時間・金額などの総量
|
複数形の名詞を含んでも単数扱い |
Ten years is a long time.
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語彙リスト(出現順)
本記事に登場した重要英単語・表現です。タップして音読練習に役立ててください。
| 番号 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 01 |
subject-verb agreement
|
主語と動詞の一致 |
| 02 |
principle of proximity
|
近接の原則 |
| 03 |
collective noun
|
集合名詞 |
| 04 |
notional agreement
|
意味上の一致 |
| 05 |
correlative conjunction
|
相関接続詞 |
| 06 |
a number of
|
多数の〜(複数扱い) |
| 07 |
the number of
|
〜の数(単数扱い) |
| 08 |
many a
|
多くの〜(単数扱い) |
| 09 |
gerund
|
動名詞 |
| 10 |
indirect question
|
間接疑問文 |
| 11 |
none of
|
〜のどれも〜ない |
最後の確認
① 動詞の形は、修飾語句ではなく真の主語の数に一致させる。
② or 系の相関表現では近接の原則により、動詞に近い方の主語に一致させる。
③ a number of は複数扱い、the number of は単数扱いという対比を正確に区別する。
④ 動名詞・to不定詞・that節・疑問詞節が主語になるときは常に単数扱い。
⑤ 集合名詞は、一つのまとまりなら単数、個々の構成員に着目するなら複数扱いになる。

