「存在を表すthere構文」を完全攻略
大学入試で必須となる形・一致・特定性の原則・応用表現を徹底解説
まず全体のルールと全体像
「存在のthere構文」は、「〜がある/〜がいる」という存在を表す文の形です。there is / there are を用い、thereは文法上の形式的な主語(形式主語)にすぎず、意味上の主語は後ろに置かれた名詞です。be動詞は、この後ろの名詞の数・人称に一致させます。また、there is/are の後ろに来る名詞は原則として「不特定」のものに限られる、という重要な制約(特定性の原則)があり、大学入試の語法問題で頻出します。
1) There is/are構文の基本
存在のthere構文は、thereを形式的な主語として文頭に置き、その後ろにbe動詞、そして意味上の主語となる名詞を続けます。be動詞は、thereではなく、後ろの名詞の数に一致させることが最大のポイントです。
・There は「そこに」という意味を持たない、文法上の形式主語である。意味上の主語は、be動詞の後ろに置かれた a book/two cats である。
・be動詞は、thereではなく後ろの名詞(意味上の主語)の単数・複数に一致させる。単数名詞ならis、複数名詞ならareを使う。
・文末には、多くの場合on the deskのような場所を表す語句が置かれる。
① 時制のバリエーション
・過去形:There was(単数)/There were(複数)
・現在完了形:There has been(単数)/There have been(複数)
・未来形:There will be(willの後ろは常にbe原形)
・過去の習慣・状態:There used to be(かつては〜があったが、今はない)
2) 否定文・疑問文
there is/are構文の否定文・疑問文にも、大学入試で問われる決まった作り方があります。
① 否定文(not any と no の使い分け)
・否定文は、be動詞の後ろに not any を置くか、名詞の前に no を置くことで作る。どちらも「全く〜ない」という意味になり、書き換え問題で頻出。
・There isn’t any milk. = There is no milk. という等価関係を正確に覚えておく。
② 疑問文と応答
・疑問文は、be動詞をthereの前に出して Is there/Are there の形にする。
・応答は Yes, there is. / No, there isn’t.、複数の場合は Yes, there are. / No, there aren’t. となる。thereをitに置き換えないように注意する。
③ 付加疑問文
・there is/are構文の付加疑問文では、付加疑問部分の主語にも通常の代名詞ではなくthereをそのまま用いる(isn’t there?)。この点は見落としやすい入試頻出ポイントである。
3) There is/are の後ろに置ける名詞の原則(特定性の制約)
There is/are構文は、新しい情報として「何かが存在すること」を伝えるための表現です。そのため、後ろに置かれる名詞は原則として不特定のもの(a/an, some, any, no, one, twoなどの数詞がついた名詞)に限られ、話し手・聞き手の双方がすでに知っている特定の名詞(the, this, that, my, hisなどがついた名詞や固有名詞)は、原則として使うことができません。
・不特定の名詞 a cat を使うときは、there is/are構文が自然に使える。
・話し手・聞き手がすでにその猫のことを知っている場合(特定の名詞 the cat を使う場合)は、there構文を使わず、The cat is under the table. のように名詞を主語にした通常の文で表す。
・×There is the cat under the table. は、原則として不自然な文とされる(大学入試では誤りの選択肢としてよく出題される)。
4) There構文の応用表現
there is/areの基本形に加え、大学入試の読解・語法問題では、動詞を変化させた応用的なthere構文も出題されます。
① there seems to be/there happens to be型
・There seems to be(〜があるようだ)、There happens to be(たまたま〜がある)、There is sure to be(きっと〜があるだろう)のように、be動詞の代わりにseem/happen/be sureなどを使い、そのあとにto beを続けて存在を表す形が大学入試でよく出題される。
・これらは、It seems that there is a mistake in the report. の書き換えとしても頻出。
② 一般動詞を用いるthere構文(物語調・文語的表現)
・be動詞の代わりに live、exist、remain、come などの一般動詞を使い、「存在する・残っている」という意味を表す、やや文語的・物語的な言い方がある。
・この場合も、動詞はthereではなく、後ろに続く名詞(意味上の主語)の数に一致させる。物語の書き出しのOnce upon a time, there lived a princess.(昔々、あるお姫様が住んでいました)は特に有名な定型表現。
③ 場所を示す副詞のthereとの区別
・存在のthere構文における There は意味を持たない形式主語であり、日本語には訳さない。
・一方、there が文末などで使われるときは、「そこに」という意味を持つ場所を示す副詞である。この2つのthereを混同しないことが、大学入試の文法問題で重要になる。
文法まとめ表
存在のthere構文の基本パターンを整理しました。
| 項目 | 形 | 意味 |
|---|---|---|
| 肯定文(単数) |
There is a book on the desk.
|
机の上に本がある |
| 肯定文(複数) |
There are two cats in the garden.
|
庭に猫が2匹いる |
| 否定文 |
There is no milk in the fridge.
|
冷蔵庫に牛乳が全くない |
| 疑問文 |
Is there a hospital near here?
|
この近くに病院はありますか |
| 付加疑問文 |
There is a problem, isn’t there?
|
問題がありますよね |
| 応用形 |
There seems to be a mistake.
|
間違いがあるようだ |
語彙リスト(出現順)
本記事に登場した重要英単語・表現です。タップして音読練習に役立ててください。
| 番号 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 01 |
existential there
|
存在のthere |
| 02 |
formal subject
|
形式主語 |
| 03 |
used to
|
かつて〜だった |
| 04 |
definite
|
特定の |
| 05 |
indefinite
|
不特定の |
| 06 |
exist
|
存在する |
| 07 |
remain
|
残っている |
| 08 |
evidence
|
証拠 |
| 09 |
nearby
|
近くに |
| 10 |
crowd
|
群衆 |
最後の確認
② be動詞は、thereではなく後ろの名詞の数に一致させる。時制は was/were、has/have been、will beのように変化する。
③ There is/are の後ろに置く名詞は、原則として不特定のものに限られる。the やmyなどがついた特定の名詞は使えず、その場合は名詞を主語にした通常の文で表す。
④ 応用形として There seems to be や There exists のように、be動詞の代わりにseem/happen/exist/remainなどを使う形もある。

