「自動詞の用法」を完全攻略
大学入試で必須となる文型・語法・頻出動詞を徹底解説
まず全体のルールと全体像
自動詞(intransitive verb)とは、目的語(O)を直接とらない動詞のことです。文の要素だけで意味が完結する「完全自動詞」と、主語を説明する補語(C)を必要とする「不完全自動詞」の2種類に分かれます。さらに、意味の上では他動詞のように感じられても実際には自動詞であり、前置詞を伴って初めて名詞と結びつく動詞が大学入試の文法・語彙問題で非常によく狙われます。
1) 完全自動詞(Complete Intransitive Verb):S + V
完全自動詞は、目的語も補語も必要とせず、主語と動詞だけで文の意味が完結する自動詞です。動詞の後ろに修飾語(副詞句・前置詞句)が続くことはありますが、それらは文型の要素(O・C)ではありません。
・risesとsetsは完全自動詞。in the eastは前置詞句であり、目的語ではなく単なる修飾語(M)である。
・第1文型(SV)は、SVの2要素だけで文型が完成している点を必ず押さえておくこと。
① 自動詞と他動詞を混同しやすい動詞ペア(最頻出)
大学入試の文法・整序問題で繰り返し出題される、形が似ていて意味・語法を混同しやすい自動詞と他動詞のペアです。
| 自動詞(目的語なし) | 他動詞(目的語あり) |
|---|---|
|
rise – rose – risen
(自)上がる、昇る
|
raise – raised – raised
(他)〜を上げる
|
|
lie – lay – lain
(自)横たわる
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lay – laid – laid
(他)〜を横たえる、置く
|
|
sit – sat – sat
(自)座る
|
seat – seated – seated
(他)〜を着席させる
|
|
fall – fell – fallen
(自)落ちる、倒れる
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fell – felled – felled
(他)〜を切り倒す
|
|
arise – arose – arisen
(自)(問題などが)生じる
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raise a question
(他)疑問を提起する
|
2) 不完全自動詞(Incomplete Intransitive Verb):S + V + C
不完全自動詞は、主語(S)の状態や性質を説明する補語(C)を必要とする自動詞です。第2文型(SVC)を作り、S = C の関係が成り立ちます。大学入試では、補語に形容詞をとるか名詞をとるか、また副詞を誤って置いてしまう誤答パターンが頻出します。
・become / get / grow / turn / go / come / fall / run
・get angry(怒る)、grow old(年をとる)、turn pale(青ざめる)、go bad((食べ物が)腐る)、come true((夢などが)実現する)、fall asleep(眠りに落ちる)、run short(不足する)
・look / sound / feel / taste / smell は「〜のように見える・聞こえる・感じる」という意味の不完全自動詞で、後ろには形容詞が来る。
・誤答例:This soup tastes well.(×)→ well は副詞なので不可。tastes good(〇)が正しい。
・ただし taste・smell・feel が「〜を味わう/嗅ぐ/触る」という他動詞で使われる場合は、後ろに副詞が来ることもある(She tasted the soup carefully.=彼女は注意深くスープを味見した)。自動詞用法(SVC)と他動詞用法(SVO)の違いを混同しないこと。
「結局〜であることが分かる」を表す動詞: prove / turn out(例:The rumor proved true.=その噂は本当だと分かった)
3) 大学入試最重要:他動詞と間違えやすい「自動詞+前置詞」
日本語の意味では「〜を」と訳せるために他動詞と誤解しやすいが、実際には自動詞であり、前置詞を伴わなければ名詞と結びつけない動詞です。空所補充・整序英作文で最も出題頻度が高い項目です。
入試必須「自動詞+前置詞」一覧
| 自動詞+前置詞 | 意味 |
|---|---|
|
agree with (人) / to (提案)
|
(人に)同意する/(提案に)同意する |
|
object to
|
〜に反対する |
|
apologize to A for B
|
BのことでAに謝る |
|
reply to
|
〜に返事をする |
|
respond to
|
〜に反応する、応答する |
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arrive at (地点) / in (国・都市)
|
〜に到着する |
|
graduate from
|
〜を卒業する |
|
complain about / of
|
〜について不満を言う |
|
consist of
|
〜から成る |
|
result in / result from
|
結果として〜を引き起こす/〜が原因である |
|
insist on
|
〜を主張する |
|
depend on / rely on / count on
|
〜に頼る、依存する |
|
listen to
|
〜を(意識して)聞く |
|
wait for
|
〜を待つ |
|
look for / look at
|
〜を探す/〜を見る |
|
account for
|
〜を説明する、〜の原因となる |
|
deal with
|
〜に対処する |
|
refer to
|
〜に言及する、〜を参照する |
|
participate in
|
〜に参加する |
|
interfere with
|
〜を妨げる |
|
sympathize with
|
〜に同情する |
|
differ from
|
〜と異なる |
|
belong to
|
〜に属する、〜のものである |
|
approve of
|
〜に賛成する |
|
succeed in
|
〜に成功する |
4) 中間構文(Middle Voice):能動態の形で受動の意味を表す自動詞用法
中間構文とは、主語が動作を「する側」ではなく「される側(受け手)」であるにもかかわらず、動詞が能動態の形のまま自動詞として使われる特殊な構文です。多くの場合、様態を示す副詞(well, easily など)を伴い、進行形にはしません。大学入試の読解・英作文で見落とされやすい重要項目です。
・sellsは「売る」という他動詞ではなく、「(本が)売れる」という自動詞用法。主語 this book は「売られる」対象だが、動詞は能動態のまま使われている。
・多くの場合、wellやeasilyのような様態の副詞を伴う(例:This cloth washes well./このシーツはよく洗える)。
・中間構文は原則として進行形にしない点にも注意(This book is selling well.のような形は中間構文としては不適切)。
5) There構文と倒置:自動詞の存在・出現を表す用法
There構文は、there is/are のほかにも、存在・出現・生起を表す自動詞(exist, live, remain, appear, arise, come, standなど)と共に用いられ、大学入試の読解問題や整序問題で頻出します。
・There構文で用いられる代表的な自動詞:exist(存在する)、live(住む)、remain(残る)、appear(現れる)、arise((問題などが)生じる)、occur(起こる)
・there is/are の be動詞以外にこれらの自動詞を用いる形は、書き言葉・読解英文で頻繁に登場するため確実に読み取れるようにしておくこと。
文法まとめ表
自動詞の4つの重要用法を、文型と特徴で整理しました。
| 用法 | 文型 | 特徴 |
|---|---|---|
|
完全自動詞
|
S + V | 目的語・補語なしで意味が完結する |
|
不完全自動詞
|
S + V + C | 主語を説明する補語(C)を必要とする(S=C) |
|
自動詞+前置詞
|
S + V + 前置詞 + 名詞 | 目的語を直接とれず、前置詞を介して名詞と結びつく |
|
中間構文
|
S + V(能動形)+ 副詞 | 主語が受け手でも動詞は能動態のまま、進行形にしない |
語彙リスト(出現順)
本記事に登場した重要英単語・表現です。タップして音読練習に役立ててください。
| 番号 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 01 |
intransitive verb
|
自動詞 |
| 02 |
complete intransitive verb
|
完全自動詞 |
| 03 |
incomplete intransitive verb
|
不完全自動詞 |
| 04 |
complement
|
補語 |
| 05 |
rise
|
(自)上がる、昇る |
| 06 |
lie
|
(自)横たわる |
| 07 |
arise
|
(自)(問題などが)生じる |
| 08 |
agree with
|
(人に)同意する |
| 09 |
object to
|
〜に反対する |
| 10 |
consist of
|
〜から成る |
| 11 |
depend on
|
〜に頼る、依存する |
| 12 |
account for
|
〜を説明する |
| 13 |
belong to
|
〜に属する |
| 14 |
middle voice
|
中間構文(中間態) |
| 15 |
there construction
|
There構文 |
| 16 |
discuss
|
(他)〜について話し合う |
最後の確認
① 完全自動詞はS+Vだけで文が完結し、目的語も補語も不要である。
② 不完全自動詞はS+V+Cの形をとり、S=Cの関係で主語を説明する。特に知覚動詞(look, sound, feel, taste, smell)の後ろは形容詞である。
③ 自動詞+前置詞の組み合わせ(agree with, object to, consist of, depend on など)は、前置詞を落とすと誤りになるため、セットで正確に覚える。
④ 中間構文は、主語が受け手であっても動詞は能動態のまま用い、様態の副詞を伴うことが多く、進行形にはしない。

