「補語の種類」を完全攻略
大学入試で必須となる定義・主格補語・目的格補語・識別法を徹底解説
まず全体のルールと全体像
「補語(Complement)」とは、主語または目的語が「何であるか」「どのような状態であるか」を説明し、それと=(イコール)の関係で結びつく語句のことです。補語には、主語を説明する「主格補語」と、目的語を説明する「目的格補語」の2種類があります。大学入試では、補語になる品詞の種類、補語をとる動詞、そして補語と目的語(または副詞句)の識別が頻出のポイントです。
1) 補語(Complement)とは何か
補語とは、主語(S)や目的語(O)がどのような「もの」であるか、どのような「状態」であるかを補って説明する語句です。補語の最大の特徴は、補語が説明する対象(主語または目的語)と「=(イコール)」の関係が成り立つという点にあります。これに対して目的語は、動作の対象を表すだけで、主語や他の要素とイコール関係にはなりません。
・a doctor は She を説明しており、She = a doctor の関係が成立するので補語(C)である。
・her job は She とイコール関係にならず、loves という動作の対象を表しているだけなので目的語(O)である。
2) 主格補語(Subject Complement):第2文型 SVC
主格補語は、主語(S)の性質・状態・種類などを説明する補語で、「S=C」の関係が成立します。第2文型(SVC)を作る動詞は、大きく「①状態のbe動詞」「②変化を表す動詞」「③五感・様子を表す動詞」「④継続を表す動詞」の4グループに分類できます。
① be動詞・状態を表す動詞
・補語には形容詞(difficult)だけでなく、名詞(a mystery)もなれる。
・This problem = difficult、the answer = a mystery というイコール関係が成立している。
② 変化を表す動詞(become型)
・become(〜になる:最も一般的)
・get(〜になる:口語で頻出。get dark, get angry など)
・turn(〜に変わる:色・季節の変化。turn red, turn pale)
・grow(徐々に〜になる:grow dark, grow old)
・go(〜になる:主に悪い変化。go bad, go blind)
・fall(〜の状態に陥る:fall asleep, fall ill)
・come(〜になる:良い変化。come true)
・run(〜になる:run short, run dry)
③ 五感・様子を表す動詞
・look(〜に見える)、seem / appear(〜のようだ)、sound(〜に聞こえる)、taste(〜の味がする)、smell(〜の匂いがする)、feel(〜と感じる)はすべて後ろに形容詞を補語としてとる。
・「〜のように見える」を表す場合、look like + 名詞(likeが必要)と look + 形容詞(likeは不要)の語法の違いが頻出。
・seem (to be) + 形容詞 のように、seem/appearはto beを伴うこともある。
④ 状態の継続を表す動詞
・remain、stay、keep(自動詞用法)、hold は「〜のままである」という状態の継続を表し、後ろに形容詞の補語をとる。
3) 目的格補語(Object Complement):第5文型 SVOC
目的格補語は、目的語(O)の性質・状態を説明する補語で、「O=C」の関係が成立します。目的格補語になる形は、①名詞、②形容詞、③現在分詞、④過去分詞、⑤原形不定詞、⑥to不定詞の6種類に整理でき、それぞれ相性のよい動詞が決まっています。
① 名詞を補語にとる動詞
・make O C(OをCにする)
・call O C(OをCと呼ぶ)
・name O C(OをCと名付ける)
・elect O C(OをCに選ぶ)
・appoint O C(OをCに任命する)
・consider O (to be) C(OをCだとみなす)
② 形容詞を補語にとる動詞
・make O C(OをCにする)
・keep O C(OをCのままにしておく)
・find O C(OがCだとわかる)
・leave O C(OをCのままにしておく・放置する)
・think O C / consider O C(OをCだと考える)
・paint O C(OをC色に塗る)
③ 現在分詞を補語にとる動詞
・crossing は「彼=渡っている(動作の途中)」という能動・進行の関係を表す。
・知覚動詞(see, hear, feel, watch, notice)は「(進行中の動作を)〜しているのを見る/聞く」という意味で現在分詞を補語にとることができる。
・keep O -ing(Oを〜させ続ける)、find O -ing(Oが〜しているのに気づく)、leave O -ing(Oを〜したままにしておく)も頻出。
④ 過去分詞を補語にとる動詞
・stolen は「自転車=盗まれた」という受動の関係を表す。
・have O done:①(人に)〜してもらう ②〜される(被害)
・get O done:haveとほぼ同義で、より口語的(完了・依頼のニュアンスが強い)
・make O done(O to be understood 等、〜されるようにする)、find O done、leave O done も同じ発想。
・知覚動詞も過去分詞を補語にとる:I heard my name called.(名前が呼ばれるのを聞いた)
⑤ 原形不定詞を補語にとる動詞(使役動詞・知覚動詞)
・make O do(Oに強制的に〜させる)
・have O do(Oに(当然のこととして)〜してもらう)
・let O do(Oが〜するのを許す)
②知覚動詞(原形不定詞をとる:動作の最初から最後まで):
・see O do、watch O do、hear O do、feel O do、notice O do
※現在分詞(-ing)の場合は「動作の途中」、原形不定詞の場合は「動作の一部始終」を表すという違いが入試で問われる。
※help は原形不定詞・to不定詞のどちらも可(help O (to) do)。
⑥ to不定詞を補語にとる動詞
・want O to do(Oに〜してほしい)
・tell O to do(Oに〜するように言う)
・ask O to do(Oに〜するよう頼む)
・allow O to do / permit O to do(Oが〜するのを許す)
・enable O to do(Oが〜できるようにする)
・force O to do / require O to do(Oに〜することを強制する・要求する)
・expect O to do(Oが〜することを期待する)
・get O to do(Oに〜させる:説得のニュアンス)
4) 補語と目的語・副詞句の識別
大学入試の文法問題や英作文では、ある語句が「補語」なのか「目的語」あるいは単なる「副詞句」なのかを見極める力が問われます。判断の基準は常に「イコール関係が成立するかどうか」です。
・1文目:interesting は the book = interesting の関係が成立するため目的格補語(SVOC)。
・2文目:on the desk は場所を表す副詞句であり、the book = on the desk というイコール関係は成立しないため、この文は第3文型(SVO)である。
文法まとめ表
主格補語と目的格補語の文型・イコール関係・代表的な動詞を比較整理しました。
| 種類 | 文型 | イコール関係 | 代表的な動詞 |
|---|---|---|---|
|
主格補語
Subject Complement
|
第2文型 SVC | S = C |
be, become, look, seem, remain
|
|
目的格補語
Object Complement
|
第5文型 SVOC | O = C |
make, call, keep, find, see, have
|
補語の形の一覧(品詞・形別)
補語になれる語句の形を、主格補語・目的格補語の両方について整理しました。
| 補語の形 | 主格補語(SVC)の例 | 目的格補語(SVOC)の例 |
|---|---|---|
|
名詞
|
He is a teacher.
|
They elected him president.
|
|
形容詞
|
She looks tired.
|
The news made her sad.
|
|
現在分詞
|
The story remains touching.
|
I saw him running.
|
|
過去分詞
|
He seemed surprised.
|
I had my wallet stolen.
|
|
to不定詞
|
My dream is to become a doctor.
|
I want you to help me.
|
|
原形不定詞
|
(主格補語では通例使わない) |
Let me go.
|
語彙リスト(出現順)
本記事に登場した重要英単語・表現です。タップして音読練習に役立ててください。
| 番号 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 01 |
complement
|
補語 |
| 02 |
subject complement
|
主格補語 |
| 03 |
object complement
|
目的格補語 |
| 04 |
become
|
〜になる |
| 05 |
turn
|
(色・状態が)〜に変わる |
| 06 |
seem
|
〜のようだ |
| 07 |
remain
|
〜のままである |
| 08 |
elect
|
〜を選出する |
| 09 |
appoint
|
〜を任命する |
| 10 |
present participle
|
現在分詞 |
| 11 |
past participle
|
過去分詞 |
| 12 |
bare infinitive
|
原形不定詞 |
| 13 |
causative verb
|
使役動詞 |
| 14 |
perception verb
|
知覚動詞 |
| 15 |
enable
|
〜できるようにする |
最後の確認
① 主格補語(Subject Complement) は第2文型(SVC)で S=C の関係を作る。
② 目的格補語(Object Complement) は第5文型(SVOC)で O=C の関係を作る。
③ 補語は名詞・形容詞・現在分詞・過去分詞・to不定詞・原形不定詞のいずれかの形をとり、動詞ごとにどの形と結びつくかを正確に覚えておく必要がある。

