●京都大学 英語
予想採点基準(2017年度・平成29年度)
出典:2017年度(平成29年度)京都大学前期入学試験英語
※本採点基準はOBLECTOによる予想配点です。公式の採点基準ではありません。
※等位節・従属節・関係詞節などは厳密には文ではありませんが、解説の都合上『文』として扱うことがあります。
大問Ⅰ 読解・内容説明・和訳 予想採点基準 全50点
配点:(1)内容説明 15点 (2)下線部(b)和訳 15点 (3)下線部(c)和訳 20点
【設問(1) 内容説明・模範解答】
(1)下線部(a)の指す内容
such estimates of desertification
砂漠化の定義が定まっておらず、その測定基準も統一されておらず、さらに乾燥地における人間による環境悪化と干ばつの影響とを区別することが非常に難しいために、信頼性に欠けると言わざるを得ない「世界の乾燥・半乾燥地の最大70%が砂漠化の被害を受けている」という推計のこと。
(1)採点基準 計15点
| 配点 | チェックポイント |
|---|---|
| 5点 | 「such estimates(そのような推計)」が指す内容として、「世界の乾燥・半乾燥地の最大70%が、程度の差はあるものの砂漠化の問題を抱えているという推計」であることを明示できているか。「程度の差はある(varying degrees)」という限定句を落とさずに含めているか。 |
| 5点 | その推計が「questionable at best(よくて疑わしい)」とされる理由として、①砂漠化の定義が合意されていない、②測定基準が統一されていない、③乾燥地における人為的劣化と干ばつの影響を区別することが非常に難しい、という3点のうち少なくとも2点を含めて説明できているか。 |
| 5点 | これらの問題があるがゆえに推計の信頼性が低い(「よくても疑わしい」)という論理的つながりを日本語として自然に示せているか。 |
【設問(2) 下線部(b)・模範解答】
(2)下線部(b)
As such, the way that the “crisis of desertification” was conceptualized, framed, and tackled as a policy problem shaped in numerous ways our reactions to subsequent environmental crises such as deforestation, biodiversity loss, and climate change.
(2)全訳(模範解答)
砂漠化が初めて地球規模で生じていると認識された主要な環境問題だったということから、「砂漠化の危機」が政策上の問題として概念化され、定式化され、取り組まれた方法が、森林破壊・生物多様性の喪失・気候変動といったその後の環境危機に対する私たちの対応を、数多くの点において形成することになった。
(2)部分配点 計15点 [約36語・1文]
| 配点 | 該当箇所 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 4点 | As such | As such は「そのような状況(性格)であったので」という意味で、前文の「砂漠化が地球規模で生じていると認識された最初の主要な環境問題だった」という内容を理由として受けていることを把握できているか。設問の指示に従い、この such が指す内容(=砂漠化が地球規模の初の主要環境問題であったこと)を訳文中に具体的に補えているか。「そのため」のような単純な因果表現に留まらず、前文の内容を明示できているか。 |
| 4点 | the way that the “crisis of desertification” was conceptualized, framed, and tackled as a policy problem | the way that … が主語であることを把握できているか。conceptualized・framed・tackled の3語を「概念化され・定式化され・取り組まれた」とそれぞれ適切に訳せているか(3語すべて訳出していること)。as a policy problem を「政策上の問題として」と処理できているか。 |
| 4点 | shaped in numerous ways our reactions to subsequent environmental crises | shaped が述語動詞であり、our reactions to … が目的語、in numerous ways が副詞句という倒置に近い語順を正確に処理できているか。shaped を「形成した」と訳せているか。subsequent を「その後の・後続の」と訳せているか。 |
| 3点 | such as deforestation, biodiversity loss, and climate change | 列挙された3つの環境危機(森林破壊・生物多様性の喪失・気候変動)をすべて正確に訳せているか。 |
【設問(3) 下線部(c)・模範解答】
(3)下線部(c)
The assumption that the world’s drylands are worthless and deforested landscapes has led, since the colonial period, to programs and policies that have often systematically damaged dryland environments and marginalized large numbers of indigenous peoples, many of whom had been using the land sustainably.
(3)全訳(模範解答)
世界の乾燥地は価値がなく、森林が失われた景観であるという思い込みが、植民地時代以来、乾燥地の環境をしばしば組織的に損ない、また、土地を持続可能な形で利用してきた人々を多数含む先住民族の大勢を周辺化してきた計画や政策を招いてきた。
(3)部分配点 計20点 [約44語・1文]
| 配点 | 該当箇所 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 5点 | The assumption that the world’s drylands are worthless and deforested landscapes | The assumption that … が主語であり、that 以下が同格節であることを把握できているか。assumption を「思い込み・仮定・前提」と訳せているか。worthless を「価値のない・無価値な」、deforested landscapes を「森林が失われた景観・森林破壊された地」と訳せているか。 |
| 3点 | has led, since the colonial period, to programs and policies | has led to … を「〜を招いてきた・〜につながってきた」と現在完了の継続ニュアンスで訳せているか。since the colonial period の挿入を「植民地時代以来」と正確に処理できているか。 |
| 6点 | that have often systematically damaged dryland environments and marginalized large numbers of indigenous peoples | that が programs and policies を受ける関係代名詞節であることを押さえているか。systematically を「組織的に・系統的に」と訳せているか。marginalized を「周辺化した・社会の周辺に追いやった」と訳せているか。large numbers of indigenous peoples を「先住民族の大勢」と正確に訳せているか。 |
| 4点 | many of whom had been using the land sustainably | many of whom が indigenous peoples を受ける非制限用法の関係代名詞節であることを押さえているか。had been using を「(ずっと)利用してきた」と過去完了進行形として処理できているか。sustainably を「持続可能な形で・持続的に」と訳せているか。 |
| 2点 | 文全体の自然さ | 長い主語・挿入句・関係代名詞節の重なりにもかかわらず、日本語として自然に読める訳になっているか。 |
大問Ⅱ 読解・和訳・要約 予想採点基準 全50点
配点:(1)空欄補充 8点(2点×4) (2)下線部(a)和訳 20点 (3)内容要約 22点
【設問(1) 空欄補充 模範解答】
(1)正解一覧
ア ④ otherwise(もしそうでなければ)イ ② likewise(同様に)
ウ ⑥ worse(さらに悪いことに・いっそう困ったことに)
エ ③ more(no more で「もはや存在しない」)
(1)空欄選択 採点基準 計8点(各2点)
| 空欄 | 正解 | 根拠・チェックポイント |
|---|---|---|
| ア | ④ otherwise | 空所の直前で「人間は現在を意識的に生きることが大変苦手なはずだ」という結論が出ている。直後は「なぜそれほど多くの哲学者が繰り返し伝える必要性を感じるのか」という疑問文で、would は仮定法過去形。「答えがすでに出ているのに理由を問う」という矛盾は、「もしそうでなければ(otherwise)」という仮定を補うことで解消される。therefore では前後が単純な順接になり、仮定法の why would … と整合しない。 |
| イ | ② likewise | 前文「私たちは常に自分の人生を実際とは異なるものとして想像できる」と並列して「同様に(likewise)、過去の生き方を思い出すこともできる」とつなぐ。 |
| ウ | ⑥ worse | uninspiring「ぱっとしない」に続けて「さらに悪いことに(worse)、つらく、不公平で、苦痛なものだとしたら」と程度を強める文脈。or worse という慣用的な使い方。 |
| エ | ③ more | we will be no(空欄)の形で文が終わっており、be動詞の後には no と空欄しかない。we の補語になれる語は選択肢の中にはなく、空欄の後に語が省略されている。no more には「もはや〜ない」という意味があり、we will be no more(= we will exist no more)で「私たちはもはや存在しなくなるだろう」という意味になる。直前の then(そのとき)と合わせて、「この一瞬一瞬の積み重ねがいつか終わりを迎えるとき、私たちはもはや存在しない」という文脈に合致する。したがって正解は③ more。 |
【設問(2) 下線部(a)・模範解答】
(2)下線部(a)
Another, more thorough way of avoiding full immersion in the present is by seeing all of life as stages of preparation, ranging from preparing for dinner to preparing for life in the Hereafter, with preparing for final exams falling somewhere in between.
(2)全訳(模範解答)
現在への完全な没入を避けるための、もうひとつのより徹底した方法は、夕食の準備から来世での生活の準備に至るまで、期末試験の準備をその中間のどこかに置きながら、人生のすべてを準備の段階として見なすことである。
(2)部分配点 計20点 [約42語・1文]
| 配点 | 該当箇所 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 4点 | Another, more thorough way of avoiding full immersion in the present | Another, more thorough way が主語であることを把握できているか。full immersion in the present を「現在への完全な没入」と訳せているか。more thorough を「より徹底した・より完全な」と適切に処理できているか。 |
| 3点 | is by seeing all of life as stages of preparation | is by doing の形を「〜することによる(方法である)」と SVC 構文として自然に処理できているか。all of life を「人生のすべて・人生全体」と訳せているか。stages of preparation を「準備の段階」と訳せているか。 |
| 5点 | ranging from preparing for dinner to preparing for life in the Hereafter | ranging from A to B を「Aから Bに至るまで」と正確に処理できているか。preparing for dinner を「夕食の準備」、preparing for life in the Hereafter を「来世(あの世)での生活の準備」と訳せているか。the Hereafter を「来世・死後の世界」と処理できているか。 |
| 5点 | with preparing for final exams falling somewhere in between | with O doing の付帯状況構文を正確に処理できているか(「〜しながら/〜を〜の状態に置いて」)。falling somewhere in between を「その中間のどこかに位置しながら」と訳せているか。preparing for final exams を「期末試験の準備」と訳せているか。 |
| 3点 | 文全体の自然さ | 主語・述語・付帯状況句の関係が崩れずに、自然な日本語になっているか。 |
【設問(3) 内容要約・模範解答】
(3)下線部(b)の問い
What could be the source of this fear?
(3)”this fear” の内容と筆者の答え(130〜160字の模範解答)
今を十分に生きることへの恐れ(this fear)の理由を筆者は二つ挙げる。一つは、現在の生が期待外れだったり、辛く不公平だったりすることへの実存的な失望への恐れであり、他方は、現在への完全な没入が時間の流れと変化を意識させ、全てが終わるという認識とともに自らの死を強く意識させることへの恐れである。(149字)
(3)採点基準 計22点
| 配点 | チェックポイント |
|---|---|
| 5点 | 「this fear」が「現在を完全に生きることへの恐れ」であることを明示できているか。単に「恐れ」と書くだけでは不十分で、何への恐れかを特定していること。 |
| 8点 | 【理由①】現在という究極の現実が「物足りない・つらく不公平で苦痛なものかもしれない」という実存的失望への恐れを述べているか。「Is that all there is?」という問いのニュアンスを含めて説明できているか。 |
| 7点 | 【理由②】現在に完全に没入することで時間の流れ・変化を強く意識し、すべてが終わるという認識とともに自らの死(有限性)を否応なく意識させられるという恐れを述べているか。 |
| 2点 | 130〜160字の字数制限を守れているか。句読点を含む。また、二つの理由が論理的に整理されて述べられているか。 |
大問Ⅲ 和文英訳 予想採点基準 全25点
【日本語原文・模範解答】
日本語原文
生兵法は大怪我のもとというが,現代のように個人が簡単に発信できる時代には,とくに注意しなければならない。聞きかじった知識を,さも自分で考えたかのように披露すると,後で必ず痛い目にあう。専門家とて油断は禁物,専門外では素人であることを忘れがちだ。さまざまな情報がすぐに手に入る世の中だからこそ,確かな知識を身に付けることの重要性を見直すことが大切である。
模範解答(英訳)
They say that a little knowledge is a dangerous thing, but we need to be especially careful in the present age when individuals can easily share information with the world. If you present half-learned knowledge as though it were your own original thinking, you will surely regret it later. Even experts should never let their guard down; they tend to forget that outside their own fields they are no better than amateurs. It is precisely because we live in a world where all kinds of information are instantly available that it is important to reconsider the value of acquiring solid, reliable knowledge.
文ごとの配点 計25点
| 文 | 日本語原文 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1文 | 生兵法は大怪我のもとというが,現代のように個人が簡単に発信できる時代には,とくに注意しなければならない。 | 8点 |
| 第2文 | 聞きかじった知識を,さも自分で考えたかのように披露すると,後で必ず痛い目にあう。 | 7点 |
| 第3文 | 専門家とて油断は禁物,専門外では素人であることを忘れがちだ。 | 5点 |
| 第4文 | さまざまな情報がすぐに手に入る世の中だからこそ,確かな知識を身に付けることの重要性を見直すことが大切である。 | 5点 |
部分配点 第1文(8点)
| 配点 | 該当箇所 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 3点 | 生兵法は大怪我のもとというが | A little knowledge is a dangerous thing / Half knowledge is more dangerous than no knowledge / They say that … など、「生兵法は大怪我のもと」ということわざ的内容を自然な英語で表現できているか。直訳せず意訳する判断ができているか。 |
| 3点 | 現代のように個人が簡単に発信できる時代には | in the present age when individuals can easily share / send out / post information などで、「個人が発信できる」という現代的文脈が出ているか。 |
| 2点 | とくに注意しなければならない | we need to be especially careful / we must pay particular attention など、義務・必要のニュアンスが出ているか。 |
部分配点 第2文(7点)
| 配点 | 該当箇所 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 3点 | 聞きかじった知識を,さも自分で考えたかのように披露すると | half-learned / half-digested / secondhand knowledge を自分の考えであるかのように見せる(as if / as though it were your own idea / thinking)という条件節を正確に表現できているか。「さも〜かのように」の as if / as though を使えているか。 |
| 2点 | 後で必ず痛い目にあう | you will surely regret it / suffer for it / get into trouble later など、「痛い目にあう」の結果を自然に表現できているか。 |
| 2点 | 文全体の自然さ・条件の論理 | If … / When … による条件節と帰結節の論理が自然につながっているか。 |
部分配点 第3文(5点)
| 配点 | 該当箇所 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 2点 | 専門家とて油断は禁物 | Even experts should never let their guard down / even specialists cannot afford to be careless など、「とて(〜でさえ)」と「油断は禁物」の両方のニュアンスが出ているか。 |
| 3点 | 専門外では素人であることを忘れがちだ | they tend to forget that outside their own field(s) they are no better than amateurs / novices など、「忘れがちだ」(tend to forget)と「素人」(amateur / layperson)と「専門外」(outside one’s field)の3要素が揃っているか。 |
部分配点 第4文(5点)
| 配点 | 該当箇所 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 2点 | さまざまな情報がすぐに手に入る世の中だからこそ | It is precisely because / Because we live in a world where all kinds of information are readily / instantly available など、「だからこそ」という強調の because / precisely because が使えているか。 |
| 3点 | 確かな知識を身に付けることの重要性を見直すことが大切である | reconsider / reassess the importance / value of acquiring solid / reliable / accurate knowledge などで、「見直す」(reconsider / reassess)と「確かな知識」(solid / reliable knowledge)と「身に付ける」(acquire / gain)が揃っているか。 |
大問Ⅳ 自由英作文(会話完成) 予想採点基準 全25点
配点:(1) 12点 (2) 13点
※解答欄 (1)・(2):各ヨコ12.1センチ×7行
【設問(1)・模範解答】
(1)Anneの発言:「音楽に国境はない」の具体例・根拠
For example, think about how a piece of classical music, like Beethoven’s Ninth Symphony, moves people deeply all over the world, regardless of the language they speak or the country they come from. The melody and rhythm reach directly into our emotions without needing any translation. Similarly, popular music crosses cultural boundaries effortlessly — fans around the world enjoy the same songs, even if they do not understand the lyrics. This universal emotional appeal is what I mean when I say music has no borders. (84語)
(1)採点基準 計12点
| 観点 | 配点 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 内容・具体性 | 5点 | 「音楽に国境はない」の具体的な根拠や実例が述べられているか。会話の流れ上、直後に “In my opinion, this demonstrates that music has no borders.” とつながるよう、何らかの具体例・事実・体験が提示されているか。 |
| 論理・一貫性 | 3点 | 提示した例が「音楽に国境はない」という主張を支持するものとして論理的につながっているか。 |
| 語彙・表現 | 2点 | 適切な語彙・表現が使えているか。繰り返しや不自然な表現がないか。 |
| 語数・文法 | 2点 | 80語前後(概ね60〜100語)の範囲内か。深刻な文法ミスがないか。 |
【設問(2)・模範解答】
(2)Kenの発言:「音楽にも国境がある」の理由
Consider traditional music, for instance. Folk songs from a specific region are deeply tied to the local language, history, and customs. Without that cultural background, it is very difficult to fully appreciate them. Moreover, some music is politically charged and carries messages that only make sense within a particular national or social context. Even popular music can be shaped by local tastes and censorship laws, making it unavailable or unacceptable in certain countries. So music is not as borderless as it might seem. (83語)
(2)採点基準 計13点
| 観点 | 配点 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 内容・反論の質 | 6点 | 「音楽にも国境がある」という主張の具体的な理由・反例が示されているか。会話の流れ上、Kenの発言の末尾に “That’s why I think there are borders in music after all.” とつながるよう、反論の根拠が論理的に積み上げられているか。 |
| 論理・一貫性 | 3点 | Anneの主張に対する反論として筋が通っているか。単なる否定でなく、具体的な観点(文化的背景・政治・言語・地域性など)から論じているか。 |
| 語彙・表現 | 2点 | 適切な語彙・表現が使えているか。 |
| 語数・文法 | 2点 | 80語前後(概ね60〜100語)の範囲内か。深刻な文法ミスがないか。 |
※本採点基準はOBLECTOによる予想配点です。公式の採点基準ではありません。
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