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●京都大学 英語
英作文解説(1995年度・大問III)
出典:1995年度(平成7年度)京都大学前期入学試験英語 大問III(和文英訳)
※本解説はOBLECTOによる教材です。公式の採点基準ではありません。
(1)茶室の窓はヨーロッパ的な意味の窓とは根本的に異なっている。それは外を見るためではなく、外の気配を感じとるためにある。我々はそこに映る樹木の影がゆれるのを見て外の風を感じとり、この影が薄くなるのを見て日没を感じとる。茶室の窓は外の光を抑制して内部に入れることを役割としているのである。
(2)テレビと比べて、本はつつましやかですが、それだけに子供にとってはわがままな対しかたが可能です。気に入った本をいつでも見られるし、ページを勝手にくることもできます。そのうえ、大好きなひとに読んでもらうという楽しみさえあります。
(訳)茶室の窓はヨーロッパ的な意味の窓とは根本的に異なっている。それらは外を見るためではなく、外の世界の気配を感じとるためのものである。我々はそこに投射された樹木の影が揺れるのを見て外の風を感じ、これらの影が薄くなるのを見て日没を察知する。茶室の窓の役割は、外の光を濾過(抑制)して内部に入れることなのである。
(訳)テレビと比べて、本は控えめであるが、まさにその理由のために、子供たちは自分勝手な方法で本にアプローチすることができる。彼らは気に入った本をいつでも見たいときに見ることができるし、自分の好きなようにページをめくることもできる。その上、彼らには大好きな人に本を読んでもらうという楽しみさえある。
※より平易な語彙・構文を使った解答例です。減点を防ぎつつ確実に得点するためのアプローチです。
(訳)茶室の窓は、ヨーロッパの窓とは完全に違っている。それらは外を見るために作られているのではなく、外がどのような様子かを感じるために作られている。木の影が窓の上で動くのを見るとき、私たちは外で風が吹いていることを知る。影が薄くなるのを見るとき、私たちは太陽が沈みかけていると感じる。これらの窓の仕事は、外の光をコントロールして部屋の中に持ち込むことだ。
(訳)本はテレビよりもずっと静か(控えめ)だが、この理由のために、子供たちはそれらを好きなように使える。彼らはいつでもお気に入りの本を読めるし、自由にページをめくることができる。加えて、大好きな人がそれらを音読してくれるとき、彼らは本を聴くことを楽しむことさえできる。
①「茶室」の表現
日本の伝統的なものなので a tea-house(模範解答)や a tea-room(別解)とします。「窓」は一般論を述べるため複数形 windows で受けるのが自然です。
②「根本的に異なっている」
be fundamentally different from ~ が最も的確な表現です。英語が苦手なら、シンプルに be completely different from ~(完全に異なっている)と言い換えても十分に通じます。
③「ヨーロッパ的な意味の窓」
those in the European sense(senseは「意味・概念」)とするのがスマートです。those は windows の繰り返しを避ける代名詞です。苦手な人は windows in Europe(ヨーロッパの窓)と割り切って訳しても大きな減点はされません。
①「AではなくBである」の構文
not A but B の相関構文を利用するのがベストです。模範解答では目的を表す不定詞を挟み、intended not to look outside but to perceive…(外を見るためではなく、…を感知するために意図されている)としています。
②「外の気配を感じとる」の工夫
「気配」を直訳するのは難しいため、perceive the atmosphere of the outside world(外の世界の雰囲気を感じ取る)と言い換えます。別解のように feel what it is like outside(外がどのような状態であるかを感じる)とするのも非常に賢いアプローチです。
①知覚動詞・使役の表現(模範解答)
「影がゆれるのを見て」を watching the shadows … sway(動詞の原形)、「影が薄くなるのを見て」を seeing these shadows grow faint(grow+形容詞で「〜になる」)という知覚動詞の構文で処理しています。また、影は窓に「投影されている」ので過去分詞 cast on them で修飾しています。
②時を表す接続詞による簡略化(別解)
知覚動詞の複雑な構文が苦手な場合は、When we see the shadows of trees moving … we know the wind is blowing.(影が動くのを見るとき、風が吹いているとわかる)のように、When 節を使って2つの文を並列に処理するとミスなく記述できます。
①「光を抑制して内部に入れる」の表現
模範解答の filter は「光を濾過(ろか)する、制限して通す」という意味の動詞で、今回の日本語のニュアンスに完璧に合致します。別解では、より簡単な語彙を用いて control the outside light and bring it into the room(外の光をコントロールして部屋に入れる)と表現しています。
②「~を役割としている」
The role of … is to do(〜の役割は〜することだ)が王道。シンプルに The job of these windows is to do としても問題ありません。
①「テレビと比べて」「つつましやか」
Compared with television は必須の定番表現。「つつましやか」は、自己主張の激しいテレビの映像や音に対して、静かで控えめであるという意味なので modest が適しています。別解のようにシンプルに much quieter(ずっと静か)としても意味が伝わります。
②「それだけに(まさにその理由で)」
for that very reason や、接続詞として because of this を用いることで、「つつましやかであるからこそ、わがままに扱える」という因果関係をはっきりと示します。
③「わがままな対しかたが可能です」
直訳しようとすると行き詰まります。「本に対してわがままに(自分中心に)アプローチできる」と考え、children can approach them in a self-centered way と表現します。苦手な人は children can use them as they like(子供たちはそれらを好きなように使える)と言い換えるのが得策です。
①「気に入った本」
their favorite books が最も自然です。
②「いつでも見られる」
whenever they want(彼らが望むときはいつでも)や at any time が使えます。
③「ページを勝手にくる」
ページをめくる行為は turn the pages。「勝手に」は「自分の意志で自由に、好きなように」ということなので、as they please や freely を使って後ろから修飾します。
①「そのうえ」「~さえ」
添加を表す Furthermore や In addition を文頭に置き、強調の副詞 even(〜さえ)を動詞の前に配置します。
②「読んでもらう(使役・受動のニュアンス)」
「他人に本を読んでもらう(自分は読まれるのを聞く)」という構造を英語にするには、have + 物 + 過去分詞 の形が非常に有効です。the pleasure of having them read to them(本が自分たちに読み聞かせられる状態を持つこと)となります。これが難しければ、別解のように enjoy listening to the books when … reads them aloud(〜が音読してくれるときに聴くことを楽しむ)と動詞を工夫して逃げましょう。
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| 単語・熟語 | 意味 | 使い方・例文 |
|---|---|---|
| fundamentally 副詞 |
根本的に、基本的に |
The two cultures are fundamentally different from each other. その二つの文化は互いに根本的に異なっている。 |
| perceive 動詞 |
~を感知する、気づく |
Animals can perceive small changes in their environment. 動物は環境の小さな変化を感知することができる。 |
| atmosphere 名詞 |
雰囲気、気配、大気 |
The window lets us feel the quiet atmosphere of the garden. その窓は庭の静かな気配を私たちに感じさせてくれる。 |
| cast 動詞(過去分詞) |
(影を)落とす、投げかける |
The trees cast long shadows on the paper screen. 木々が障子の上に長い影を落としている。 |
| faint 形容詞 |
(光や影が)かすかな、薄い |
As the sun set, the shadows on the wall grew faint. 日が沈むにつれて、壁の影は薄くなっていった。 |
| filter 動詞 |
(光などを)濾過する、抑制して通す |
The thick leaves filter the bright sunlight. 厚い葉が強い日差しを遮って(和らげて)通す。 |
| compared with ~ 熟語 |
~と比べると |
Compared with television, reading requires more imagination. テレビと比べると、読書はより多くの想像力を必要とする。 |
| modest 形容詞 |
控えめな、つつましやかな |
He is very successful but always remains modest. 彼は大成功しているが、常に控えめなままだ。 |
| for that very reason 熟語 |
まさにその理由のために、それだけに |
The book is short, and for that very reason, it is easy to finish. その本は短く、まさにその理由から、読み終えるのが簡単だ。 |
| self-centered 形容詞 |
自己中心的な、わがままな |
Children sometimes behave in a self-centered way. 子供たちは時々、自己中心的な(わがままな)行動をとる。 |
| as one pleases 熟語 |
自分の好きなように、勝手に |
You can choose any book you like and read it as you please. 自分の好きな本を選んで、好きなように読んでよい。 |
| dearly 副詞 |
心から、大層(大好きな) |
She loves her grandmother dearly. 彼女は祖母のことを心から愛している。 |
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