「コンマ・コロン・セミコロン」など記号を完全攻略
大学入試で必須となる句読記号の用法・使い分けを徹底解説
まず全体のルールと全体像
英文には、意味の切れ目や文と文の関係を示すために、コンマ・コロン・セミコロンなどの記号(punctuation marks)が使われます。これらは単なる飾りではなく、文法的な機能を持ち、大学入試の文法問題・整序問題・読解問題のいずれにも深く関わってきます。特にコンマの有無で意味が変わる関係詞節(非制限用法・制限用法)や、セミコロン・コロンの正しい使い分けは頻出項目です。
1) コンマ (Comma) の全知識
コンマは英文中で最も使用頻度の高い記号ですが、その分だけ用法も多岐にわたります。大学入試では、特に「コンマの有無によって意味が変わるケース」が頻出します。
① 等位接続詞の前のコンマ(独立した2文を結ぶ場合)
・and, but, or, so, for, nor, yet(頭文字でFANBOYSと呼ばれる)が、それぞれ独立した2つの文(S+V)をつなぐときは、その等位接続詞の直前にコンマを置く。
・ただし、単に語と語、句と句をつなぐだけの場合(主語や動詞が共有されている場合)はコンマを置かない:He got up and left the room.(彼は起きて部屋を出た=主語共通のためコンマなし)
② 3つ以上の語句を並べる場合のコンマ(列挙)
・3つ以上の語句を並べるときは、各項目の間にコンマを置く。最後の項目の前には and や or を置き、その直前にもコンマを打つのが一般的(これをserial comma(オックスフォードコンマ)と呼ぶ)。
③ 文頭に従属節・副詞句が来る場合のコンマ
・When ~ のような従属節や、長めの副詞句が文頭に置かれる場合、主節との間にコンマを打つ。
・語順が逆になり、主節が先に来る場合は原則としてコンマは不要:Everyone left the room quietly when the meeting was over.
④ 非制限用法 vs 制限用法(関係詞節でのコンマ)
・非制限用法(non-restrictive clause):関係詞節の前後にコンマを置く。先行詞(この場合 Kyoto)はすでに1つに特定されており、関係詞節は補足的な説明を加えているだけ。この用法では that は使えない。
・制限用法(restrictive clause):コンマを置かない。関係詞節が先行詞を限定・特定するために不可欠な情報を持つ:The city that attracts the most tourists in Japan is Kyoto.(日本で最も観光客を引きつける都市は京都だ=関係詞節が「その都市」を特定している)
・読解問題では、コンマの有無だけで文意(特定の1つを指すのか、補足説明なのか)が変わるため、必ず注意して読むこと。
⑤ 同格・挿入句のコンマ
・our English teacher は Mr. Tanaka と同じ人物を指す同格(apposition)の名詞句。補足説明として文中に挿入されており、前後をコンマで挟む。
⑥ 直接引用文の前のコンマ
・said のような伝達動詞の直後、引用符(quotation marks)の前にコンマを置くのが基本形。
⑦ however・therefore など文頭の副詞(つなぎ言葉)の後のコンマ
・However, Therefore, Moreover, Nevertheless のような副詞(つなぎ言葉)が文頭に来るときは、直後にコンマを置く。これらは接続詞ではなく副詞なので、2つの文を1つのコンマだけでつなぐこと(いわゆるコンマスプライス)はできない点に注意。
コンマの主な用法一覧
| 用法 | ルール | 例 |
|---|---|---|
|
等位接続詞の前
|
2つの独立した文をつなぐ等位接続詞の直前 |
…, but …
|
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列挙 (Series)
|
3つ以上の語句を並べるとき、各項目の間 |
A, B, and C
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文頭の従属節・副詞句
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従属節や副詞句が文頭に来るとき、主節との間 |
When ~, S+V.
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非制限用法の関係詞節
|
補足説明を加える関係詞節の前後 |
A, which ~, B.
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同格・挿入
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名詞を言い換える語句の前後 |
A, B, C.
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直接引用
|
伝達動詞の直後、引用符の前 |
said, “…”
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つなぎ言葉の後
|
However等が文頭に来るとき、その直後 |
However, …
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2) コロン (Colon) の全知識
コロンは、その前に置かれた文の内容を「具体的に説明・列挙・強調する」働きを持ちます。大学入試では、コロンの直前が文法的に完全な文(独立節)でなければならないという原則がよく問われます。
① リスト(列挙)を導入するコロン
・コロンの前は I need to buy three things という完全な文(独立節)になっている。この後に具体的な内容(列挙)を続ける。
・注意:such as や including の直後にはコロンを置かない(I need to buy things such as milk, eggs, and bread. のようにコロンなしで続ける)。
② 説明・理由・強調を導入するコロン
・コロンの後ろに置かれる内容が、前の文で述べた事柄を具体的に言い換え・強調している。前の文の要点をより詳しく説明する働きを持つ。
③ 正式な引用文を導入するコロン
・カンマよりも格式ばった、あるいは長めの引用文を導入する際にコロンが使われることがある。時刻(7:30)や比率(a ratio of 3:1)などの数値表現にもコロンは使われる。
3) セミコロン (Semicolon) の全知識
セミコロンはコンマより強く、ピリオドより弱い区切りを表す記号です。意味的に関連の深い2つの独立した文をつなぐ働きが中心で、大学入試の整序問題・正誤問題で頻出します。
① 接続詞なしで独立した2文をつなぐセミコロン
・セミコロンは、and や so のような等位接続詞を使わずに、2つの意味的に関連する独立した文を1文にまとめる働きを持つ。
・コンマだけで2つの独立した文をつなぐこと(コンマスプライス(comma splice))は誤りであり、大学入試の正誤判定問題で頻出する典型的な誤答パターンである。
② however・therefore など副詞的接続語の前に置くセミコロン
・however, therefore, moreover, thus, nevertheless, consequently のような副詞的接続語(つなぎ言葉)で2つの文をつなぐ場合、その語の前にはセミコロンを、後ろにはコンマを置く。
・これらは接続詞(conjunction)ではなく副詞(adverb)であるため、コンマだけで前の文とつなぐことはできない。
③ 複雑な列挙(項目内にすでにコンマがある場合)
・各項目自体の中にすでにコンマが含まれている場合(都市名, 国名 のように)、項目同士の区切りにはコンマではなくセミコロンを用いて、どこまでが1つの項目かを明確にする。
セミコロンとともによく使われる副詞的接続語
| つなぎ言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
|
however
|
しかしながら |
; however, …
|
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therefore
|
それゆえに |
; therefore, …
|
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moreover
|
そのうえ |
; moreover, …
|
|
nevertheless
|
それにもかかわらず |
; nevertheless, …
|
|
thus
|
このようにして |
; thus, …
|
|
consequently
|
その結果として |
; consequently, …
|
|
in addition
|
加えて |
; in addition, …
|
|
otherwise
|
さもなければ |
; otherwise, …
|
4) その他の記号
コンマ・コロン・セミコロン以外にも、大学入試の英文中には様々な記号が登場します。それぞれの役割を正確に理解しておきましょう。
① ハイフン (Hyphen, -)
・複数の語を結びつけて複合語(compound word)を作る(well-known=よく知られた)。
・数詞+名詞+形容詞の形で、名詞を修飾する複合形容詞を作る場合、間の名詞は必ず単数形にする(a three-year-old story、a ten-minute walk)。
・21〜99の数字を1語で綴るとき(twenty-one)や、接頭辞の一部(ex-president, self-control)にも使われる。
② ダッシュ (Dash, —)
・ダッシュはコンマや丸括弧と同様に、文中に補足情報を挿入するために使われるが、より強調的・口語的な印象を与える。文末で、それまでの内容をまとめたり、急な転換・言い直しを示す働きもある。
③ アポストロフィ (Apostrophe, ‘)
・名詞の所有格(possessive)を作る(the dog’s owner=その犬の飼い主)。複数形の名詞(-sで終わる)の場合はアポストロフィのみを語尾に置く(students’ books)。
・短縮形(contraction)を作る(it’s = it is / it has)。
・入試最重要の区別:it’s(it is の短縮形)と its(「それの」という所有格代名詞、アポストロフィなし)は綴りが非常に紛らわしいため要注意。
④ 引用符 (Quotation Marks, ” “)
・話者の発言をそのまま引用する直接話法(direct speech)で使用する。短編小説・論文・記事などの題名(title)を示す際にも使われる。
⑤ 丸括弧 (Parentheses, ( ))
・文の主旨に直接関係しない補足的な情報を挿入する際に使われる。丸括弧内を取り除いても文の文法構造・骨格は成立する。
⑥ 省略記号 (Ellipsis, …)
・引用文の一部を省略したことを示したり、言葉が途切れる、あるいはためらいを表現するために使われる。
文法まとめ表
コンマ・コロン・セミコロンの最も重要な違いを、機能面から比較整理しました。
| 記号 | 基本的な役割 | 前後にくるもの |
|---|---|---|
|
Comma ( , )
|
語句・節を区切る/等位接続詞の前に置き2文をつなぐ/補足説明を挟む | 単独では通常、独立した2つの文を接続詞なしにつなぐことはできない |
|
Colon ( : )
|
具体例・説明・引用・リストを導入する | 直前は文法的に完全な文(独立節)である必要がある |
|
Semicolon ( ; )
|
接続詞なしで、意味的に関連する2つの独立した文をつなぐ | 前後とも文法的に完全な文(独立節)であるのが基本 |
語彙リスト(出現順)
本記事に登場した重要英単語・表現です。タップして音読練習に役立ててください。
| 番号 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 01 |
comma
|
コンマ |
| 02 |
colon
|
コロン |
| 03 |
semicolon
|
セミコロン |
| 04 |
coordinating conjunction
|
等位接続詞 |
| 05 |
independent clause
|
独立節 |
| 06 |
restrictive clause
|
制限用法(の関係詞節) |
| 07 |
non-restrictive clause
|
非制限用法(の関係詞節) |
| 08 |
apposition
|
同格 |
| 09 |
comma splice
|
コンマスプライス(誤用) |
| 10 |
conjunctive adverb
|
副詞的接続語(つなぎ言葉) |
| 11 |
hyphen
|
ハイフン |
| 12 |
dash
|
ダッシュ |
| 13 |
apostrophe
|
アポストロフィ |
| 14 |
possessive
|
所有格 |
| 15 |
contraction
|
短縮形 |
| 16 |
quotation marks
|
引用符 |
| 17 |
parentheses
|
丸括弧 |
| 18 |
ellipsis
|
省略記号(三点リーダー) |
最後の確認
① コンマ(Comma) は等位接続詞の前・列挙・文頭の従属節の後などに使うが、単独で独立した2文をつなぐと コンマスプライス という誤りになる。特に関係詞節における 制限用法(コンマなし) と 非制限用法(コンマあり) の違いは文意を左右する重要ポイントである。
② コロン(Colon) は、直前が完全な文であることを条件に、具体例・説明・引用を導入する。
③ セミコロン(Semicolon) は、接続詞なしで関連する2つの独立した文をつなぐ、または however のような 副詞的接続語 の前で使う。

