「日本語の語順との違い」を完全攻略
大学入試で必須となる英語と日本語の語順の違いを徹底解説
まず全体のルールと全体像
日本語は助詞(は・を・に など)が単語同士の関係を示すため、語順の自由度が比較的高い言語です。これに対して英語は、助詞を持たないぶん「語順」そのものが文法関係を決定する、いわば語順が命の言語です。大学入試の英作文・整序問題・読解では、日本語の発想のまま単語を並べると誤りになる箇所が数多くあります。まずは代表的な違いの全体像を押さえましょう。
1) 基本語順:日本語のSOVと英語のSVO
最も根本的な違いは動詞の位置です。日本語は「主語(S)→目的語(O)→動詞(V)」の順に並び、動詞は必ず文末に来ます。これに対して英語は「主語(S)→動詞(V)→目的語(O)」の順で、動詞は主語のすぐ後ろ、つまり文の2番目に固定されています。
・日本語では「私は(S)/この本を(O)/読む(V)」の順で、動詞が最後に置かれる。
・英語では I(S)→ read(V)→ this book(O)の順となり、動詞は主語の直後に置かれる。
・日本語の語順のまま単語を並べ替えてI this book read.としてしまうのは典型的な誤りである。英語では動詞の位置がずれることは原則ない。
・日本語では「犬が男を噛んだ」でも「男を犬が噛んだ」でも、助詞「が」「を」の働きにより意味が変わらない。
・英語には格を示す助詞がないため、語順そのものが主語と目的語を決定する。The dog bit the man.とThe man bit the dog.は全く逆の意味になる。
・この性質のため、英作文では日本語の助詞に頼らず、英語の語順規則(S+V+O)に従って組み立てる意識が不可欠である。
2) 修飾語の位置:前置修飾と後置修飾
日本語では、名詞を修飾する語句は必ずその名詞の前に置かれる。これに対して英語では、1語の形容詞は名詞の前に置く(前置修飾)が、2語以上のまとまり(句・節)による修飾は名詞の後ろに置かれる(後置修飾)。この違いは長文読解における構文把握の最重要ポイントの一つである。
・日本語では「ベンチで新聞を読んでいる(修飾語)/男性(名詞)」のように、修飾する部分がすべて名詞より前に来る。
・英語では The man(名詞)の直後に reading a newspaper on the bench(現在分詞句)が続き、名詞を後ろから修飾する。
・後置修飾となる代表的な形:
・前置詞句:the book on the desk(机の上の本)
・現在分詞句:the man reading a newspaper(新聞を読んでいる男性)
・過去分詞句:the language spoken in Canada(カナダで話されている言語)
・to不定詞句:something to eat(何か食べるもの)
・関係代名詞節:the woman who lives next door(隣に住んでいる女性)
3) 前置詞(Preposition)と日本語の助詞の語順の違い
日本語では「名詞+助詞」の順、つまり「学校へ」「東京から」のように助詞が名詞の後ろにつく。英語ではこれに当たる前置詞が名詞の前に置かれる(そのため preposition=「前に(pre-)置かれる語(position)」と呼ばれる)。この逆転は和文英訳で最も間違いが起こりやすい箇所である。
・日本語:「学校(名詞)+へ(助詞)」「バス(名詞)+で(助詞)」「家(名詞)+から(助詞)」= 名詞が先、助詞が後。
・英語:to+school、by+bus、from+my house = 前置詞が先、名詞が後。
・日本語の助詞のイメージのまま「school to」のように書くのは典型的な誤りであり、必ず前置詞を名詞の前に置く。
4) 疑問文・否定文における語順の変化(倒置)
日本語は平叙文の語順を変えずに文末へ「か」を付け加えるだけで疑問文になる。英語ではこれと異なり、主語と(助)動詞の位置を入れ替える「倒置(inversion)」が必要になる。
・一般動詞の文を疑問文・否定文にする際は、日本語にはないdo / does / didを主語の前(否定文では動詞の前)に補う必要がある。
・疑問文:Do you like music?(主語の前にdoを置き、動詞は原形に戻す)
・否定文:I do not like music.(動詞の前にdo notを置く)
5) 間接疑問文の語順(疑問詞+S+V)
疑問文が文の一部(他動詞の目的語や名詞節)として組み込まれる「間接疑問文」では、直接疑問文とは逆に倒置が起こらず、疑問詞の後は通常の平叙文と同じ「主語+動詞」の語順に戻る。この点は大学入試の整序英作文・正誤問題で最も頻出する語順のひっかけの一つである。
・直接疑問文:What does he want?(doesとheが倒置している)
・間接疑問文:what he wants(doesは消え、疑問詞の後は主語+動詞の通常の語順に戻る)
・I don’t know what does he want.のように倒置を残したまま組み込むのは典型的な誤りである。
6) 副詞の位置(頻度副詞など)
日本語は副詞の位置が比較的自由で、文中のさまざまな場所に置くことができる。英語の頻度副詞(always, usually, often, sometimes, never など)には定位置があり、この位置のルールは大学入試の誤り訂正問題で頻出する。
・一般動詞の文では、頻度副詞は一般動詞の前:always studies
・be動詞・助動詞の文では、頻度副詞はbe動詞・助動詞の後:is always
・日本語のように文頭や文末に自由に置く発想のまま英語を書くと不自然、あるいは誤りになる。
7) 時・場所を表す副詞(句)の語順
複数の副詞(句)が同じ文に含まれる場合、英語には「場所→時」というおおよその優先順位がある。また、場所そのものを表す表現では、日本語は「広い範囲→狭い範囲」の順で並べるのに対し、英語は逆に「狭い範囲→広い範囲」の順で並べる。
・日本語:「日本の(広い)大阪(狭い)で/昨日(時)」=広い場所が先、時を表す語は場所より前に置かれることが多い。
・英語:in Osaka, Japan(場所:狭い範囲であるOsakaを先に、広い範囲であるJapanを後に置く)→yesterday(時)の順で、場所の副詞句が時の副詞より先に置かれるのが基本である。
文法まとめ表
日本語と英語の語順の違いを項目ごとに整理しました。
| 項目 | 日本語の語順 | 英語の語順 |
|---|---|---|
| 基本語順 | S+O+V(動詞は文末) |
S+V+O(動詞は2番目)
|
| 修飾語(句・節) | 修飾語は常に名詞の前 | 句・節による修飾は名詞の後ろ(後置修飾) |
| 前置詞/助詞 | 名詞+助詞(後置) | 前置詞+名詞(前置) |
| 疑問文 | 語順不変+文末に「か」 | 主語と(助)動詞を倒置 |
| 間接疑問文 | 語順の変化なし | 疑問詞の後は倒置せずS+Vに戻る |
| 頻度副詞 | 位置が比較的自由 | 一般動詞の前/be動詞・助動詞の後の定位置 |
| 場所の範囲 | 広い範囲→狭い範囲 | 狭い範囲→広い範囲 |
語彙リスト(出現順)
本記事に登場した重要英単語・表現です。タップして音読練習に役立ててください。
| 番号 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 01 |
word order
|
語順 |
| 02 |
subject
|
主語 |
| 03 |
verb
|
動詞 |
| 04 |
object
|
目的語 |
| 05 |
modifier
|
修飾語 |
| 06 |
preposition
|
前置詞 |
| 07 |
inversion
|
倒置 |
| 08 |
auxiliary verb
|
助動詞 |
| 09 |
interrogative word
|
疑問詞 |
| 10 |
indirect question
|
間接疑問文 |
| 11 |
frequency adverb
|
頻度副詞 |
| 12 |
present participle
|
現在分詞 |
| 13 |
past participle
|
過去分詞 |
| 14 |
relative pronoun
|
関係代名詞 |
最後の確認
② 句・節による修飾は、日本語と逆に名詞の後ろに置かれる(後置修飾)。
③ 前置詞は日本語の助詞と逆で、名詞の前に置かれる。
④ 疑問文では主語と(助)動詞を入れ替える倒置が必要だが、間接疑問文では倒置せず通常の語順に戻る点に注意する。
⑤ 頻度副詞や場所・時の副詞(句)にも英語特有の定位置があり、日本語の自由な語順の感覚では対応できない。

