オブレクト

(き)京都大学 1981【解答例 及び 配点・採点基準予想】

(き)京都大学






京都大学 英語 予想採点基準(1981年度)




●京都大学 英語
予想採点基準(1981年度・昭和56年度)

出典:1981年度(昭和56年度)京都大学入学試験英語
※本採点基準はOBLECTOによる予想配点です。公式の採点基準ではありません。
※等位節・従属節・関係詞節などは厳密には文ではありませんが、解説の都合上『文』として扱うことがあります。

大問Ⅰ 和訳 予想採点基準 全50点

配点:第1文 18点 第2文 6点 第3文 9点 第4文 5点 第5文 12点

【問題文・模範解答】
問題文(全体)

History begins when men begin to think of the passage of time in terms not of natural processes—the cycle of the seasons, the human life-span—but of a series of specific events in which men are consciously involved and which they can consciously influence. History, says Burckhardt, is “the break with nature caused by the awakening of consciousness”. History is the long struggle of man, by the exercise of his reason, to understand his environment and to act upon it. But the modern period has broadened the struggle in a revolutionary way. Man now seeks to understand, and to act on, not only his environment but himself; and this has added, so to speak, a new dimension to reason, and a new dimension to history.

模範解答(全訳)


人間が時の流れを、自然の推移――季節のめぐりや人間の一生といったもの――としてではなく、人間が意識的に関与し、意識的に影響を与えることのできる一連の具体的な出来事としてとらえ始めるとき、そこに歴史が生まれる。歴史とは、ブルクハルトの言葉を借りれば「意識の目覚めによって引き起こされる自然からの離脱」である。歴史とは、人間がその理性を働かせることによって、自らを取り巻く環境を理解し、それに働きかけようとしてきた長年にわたる格闘にほかならない。しかし現代という時代は、この格闘を革命的なかたちで押し広げた。人間は今や、環境だけでなく自分自身をも理解し、それに働きかけようとしている。そしてそのことによって、いわば理性に新たな次元が、ひいては歴史にも新たな次元が付け加わったのである。


第1文(18点) 45語
配点 該当箇所 チェックポイント
4点 History begins when men begin to think of the passage of time 「時が経過するのを〜として考え始めるとき、歴史が始まる」という無生物主語的な骨格を崩さず訳せているか。the passage of time を「時の流れ/時間の経過」と処理できているか。
5点 in terms not of natural processes—the cycle of the seasons, the human life-span— in terms not of A but of B の呼応関係を正しく把握できているか。ダッシュに挟まれた語句が natural processes の具体例(同格的な言い換え)であることを処理できているか。
5点 but of a series of specific events in which men are consciously involved but of … が terms not of … と対になる構造であることを踏まえられているか。in which 以下が events を先行詞とする関係詞節であることを把握できているか。consciously involved を「意識的に関与する」と訳せているか。
4点 and which they can consciously influence and が in which 節と共通の先行詞(events)を受ける関係詞節を結んでいることを把握できているか。二つの関係詞節の並列関係が訳文に反映されているか。
第2文(6点) 14語
配点 該当箇所 チェックポイント
2点 History, says Burckhardt, is says Burckhardt が挿入的な伝達動詞句であることを把握し、「ブルクハルトによれば」「ブルクハルトの言葉を借りれば」等と処理できているか。
4点 “the break with nature caused by the awakening of consciousness” break with を「〜との決別・断絶」と訳せているか。caused by 以下が the break with nature を修飾する分詞句であることを把握できているか。the awakening of consciousness を「意識の目覚め」と訳せているか。
第3文(9点) 22語
配点 該当箇所 チェックポイント
3点 History is the long struggle of man 「〜は人間の長い闘い(格闘)である」という名詞構文の骨格を把握できているか。man が長い闘いを行う「主体」に相当することを訳出できているか。
2点 by the exercise of his reason 本来 struggle を修飾すべき副詞句が挿入されていることに気づき、「理性を働かせることによって」と適切な位置で訳せているか。
4点 to understand his environment and to act upon it to understand と to act upon が struggle にかかる不定詞(同格的用法)であることを把握できているか。act upon it の it が his environment を指すことを反映できているか。
第4文(5点) 12語
配点 該当箇所 チェックポイント
2点 But the modern period has broadened the struggle the modern period という無生物主語を「現代(という時代)は」のように意訳的に処理できているか。
3点 in a revolutionary way in a revolutionary way を「革命的な方法で/革命的なかたちで」と副詞的に処理できているか。
第5文(12点) 33語
配点 該当箇所 チェックポイント
4点 Man now seeks to understand, and to act on, not only his environment but himself understand と act on が共通して his environment と himself の両方を目的語にとる構造を把握できているか。not only A but (also) B の呼応が訳文に反映されているか。
3点 and this has added, so to speak, a new dimension to reason this が直前のセミコロン以前の内容全体を指すことを把握できているか。add A to B「AをBに加える」の構文、so to speak「いわば」の挿入を適切に処理できているか。
3点 and a new dimension to history 2つ目の and 以下で (this has added) が省略されていることに気づき、繰り返しを補って訳せているか。
2点 文全体の自然さ 長い並列構造・省略構造を保ったまま、日本語として読みやすい訳文になっているか。

大問Ⅱ 下線部和訳 予想採点基準 全50点

配点:(1) 30点 (2) 10点 (3) 10点

【下線部・模範解答】
(1)下線部

All the while I was in Russia—eighteen days that weighed on me like centuries, and that reminded me of a Soviet poet’s admission that in “fifty years of the Revolution we have lived five hundred”—I kept thinking of the old woman dying in America as a young girl in Russia.

(1)全訳


ロシアに滞在していた間じゅう――幾世紀にも思えるほど重くのしかかった十八日間であり、「革命後の五十年間に、私たちは五百年分を生きた」というあるソビエトの詩人の述懐を思い起こさせもした――私は、ロシアでは若い娘だった老母がアメリカで死を迎えようとしている姿を、思い浮かべ続けていた。

(2)下線部

She had not “indulged” herself at night any more than she had ever “given in” during the day.

(2)全訳


母は、昼間に一度も弱音を吐いたことがなかったのと同じように、夜になって自分を甘やかすということも一切しなかった。

(3)下線部

But in sight of death she dreamed; then amazed me by gaspingly making some peace with herself.

(3)全訳


しかし、死を目の前にして、母は夢を見るようになった。そして、あえぎながらも自分自身との折り合いをどうにかつけ、私を驚かせたのだった。


(1)部分配点 計30点 [52語]
配点 該当箇所 チェックポイント
4点 All the while I was in Russia All the while を「〜している間じゅう」と接続詞的に処理できているか。この部分が挿入句を挟んで文末の I kept thinking につながる主節の時間的枠組みであることを把握できているか。
6点 eighteen days that weighed on me like centuries, and that reminded me of a Soviet poet’s admission eighteen days が All the while の言い換え(同格的な挿入)であることに気づけているか。that 節が2つ and で並列されており、共に eighteen days を先行詞とすることを把握できているか。weigh on 人「人の心に重くのしかかる」、remind A of B「AにBを思い出させる」を正確に処理できているか。
7点 that in “fifty years of the Revolution we have lived five hundred” that が admission の内容を説明する同格節であることを把握できているか。引用符内が詩人の発言そのものであることを訳文で示せているか(かぎ括弧の使用等)。「革命の五十年間で五百年を生きた」という比喩的表現(心理的な時間の長さ)を不自然にならず訳せているか。
8点 I kept thinking of the old woman dying in America as a young girl in Russia この文の主節(I kept thinking of …)を正しく特定できているか。keep ~ing「〜し続ける」を処理できているか。as a young girl in Russia が dying in America ではなく、think of A as B のBではなく、the old woman dying in America を修飾する副詞的な要素であることを見抜き、「ロシアでは若い娘だった老母がアメリカで死にゆく姿」のように正確に訳せているか(think of A as Bと誤読していないか)。
5点 文全体の自然さ 挿入部分(ダッシュに挟まれた語句)を適切な位置に配置し、日本語として読みやすい構成にできているか。
(2)部分配点 計10点 [18語]
配点 該当箇所 チェックポイント
3点 She had not “indulged” herself at night indulge oneself「自分を甘やかす」を正確に訳せているか。引用符がついているのは母自身の口ぶり・言い回しをそのまま用いていることに触れられるとなおよい。
4点 any more than she had ever “given in” during the day not A any more than B「Bでないのと同様Aでない」という比較構文を正確に処理できているか。give in「屈する・音を上げる」を正しく訳せているか。
3点 文全体の自然さ 「昼間に弱音を吐かなかったのと同様、夜も甘えなかった」という対比関係が日本語として明確に表現されているか。
(3)部分配点 計10点 [17語]
配点 該当箇所 チェックポイント
3点 But in sight of death she dreamed in sight of death を「死を目前にして/死を目の前にして」と正確に処理できているか。この副詞句が文頭に置かれている(要素の移動)ことを意識し、不自然な直訳になっていないか。
4点 then amazed me by gaspingly making some peace with herself amazed の主語が she(母)であり、前半の she dreamed と共通の主語をとる並列構造であることを把握できているか。make peace with oneself「自分自身と折り合いをつける/和解する」を適切に訳せているか。
3点 gaspingly gaspingly「あえぎながら」が making some peace という行為の様態を表していることを訳文に反映できているか。

大問Ⅲ 和文英訳 予想採点基準 全50点

配点:(1) 24点 (2) 26点

【模範解答】
(1)日本語原文


私は、どんな本でも、読む以上は、はじめからしまいまで、途中をとばさずに、その全部を読むことを理想としている。なかなか実際にはできないけれども、そうありたいと思っている。


Whenever I begin reading a book, I like to think that reading it straight through—from the first page to the last—without skipping any part is the ideal way to do it. In practice this is not always easy, but it remains the way I would like to read.

(2)日本語原文


一つのことを必ずやりとげようと思うなら、そのほかのことがだめになるのを嘆いてはならないし、他人の嘲笑をも恥ずかしいと思ってはならない。多くの事を犠牲にしなければ、一つの大きな仕事が完成するはずがない。


If you are resolved to carry a single task through to the end, you must not complain that other things have had to be abandoned, nor should you feel embarrassed at being laughed at by others. No great undertaking can ever be completed unless a great many things are sacrificed along the way.


(1)文ごとの配点 計24点
日本語原文 配点
第1文 私は、どんな本でも、読む以上は、はじめからしまいまで、途中をとばさずに、その全部を読むことを理想としている。 16点
第2文 なかなか実際にはできないけれども、そうありたいと思っている。 8点
(1)部分配点 第1文(16点)
配点 該当箇所 チェックポイント
3点 私は、どんな本でも、読む以上は Whenever I begin reading a book / once I start reading any book など、「読み始めたからには」という条件的なニュアンスが出ているか。any book「どんな本でも」を適切に処理できているか。you や we ではなく I を主語にした一人称の文として一貫しているか。
4点 はじめからしまいまで、途中をとばさずに from the first page to the last / from cover to cover などで「はじめからしまいまで」を表現できているか。without skipping any part / without skipping a single page など、「途中をとばさず」のニュアンスが出ているか。skip の目的語(page / part)が適切か。
5点 その全部を読むことを理想としている reading it (straight) through is the ideal way / I think it ideal to read it through など、「〜を理想としている」という判断・信念の表現が適切か。全体として名詞句(動名詞句)でまとめる、あるいは形式主語構文でまとめる、いずれの方法でも文法的に破綻がないか。
4点 文全体の自然さ 「読む以上は」「はじめからしまいまで」「途中をとばさずに」という3つの条件・様態が、英文中で重複や矛盾なく整理されているか。
(1)部分配点 第2文(8点)
配点 該当箇所 チェックポイント
3点 なかなか実際にはできないけれども In practice this is not always easy / It is not so easy to do in practice など、「実際には難しい」という譲歩の内容が適切に表現されているか。
5点 そうありたいと思っている it remains the way I would like to read / I always wish I could do so など、「そうありたい」という願望のニュアンス(実現していない反実的な願望であること)が表現されているか。
(2)文ごとの配点 計26点
日本語原文 配点
第1文 一つのことを必ずやりとげようと思うなら、そのほかのことがだめになるのを嘆いてはならないし、他人の嘲笑をも恥ずかしいと思ってはならない。 18点
第2文 多くの事を犠牲にしなければ、一つの大きな仕事が完成するはずがない。 8点
(2)部分配点 第1文(18点)
配点 該当箇所 チェックポイント
3点 一つのことを必ずやりとげようと思うなら If you are resolved to carry a single task through to the end / If you are determined to accomplish something など、条件節を適切に処理できているか。この文全体が特定の「私」の話ではなく一般論(You-English)であることを意識し、Iやweを主語にしていないか確認できているか。
7点 そのほかのことがだめになるのを嘆いてはならないし you must not complain that other things have had to be abandoned / you should not complain of giving up other things など、「だめになる」=「断念せざるをえない」というニュアンスを正しく処理できているか(「腐る」の意味に誤訳していないか)。complain of / complain that の構文選択が適切か。
5点 他人の嘲笑をも恥ずかしいと思ってはならない nor should you feel embarrassed at being laughed at by others / nor should you be ashamed of being laughed at by others など、nor による倒置(should you)を正しく使えているか。being laughed at by others の受動態が適切に処理されているか。
3点 文全体の自然さ 2つの禁止内容(嘆いてはならない/恥ずかしいと思ってはならない)が nor や and で自然に結ばれているか。
(2)部分配点 第2文(8点)
配点 該当箇所 チェックポイント
4点 多くの事を犠牲にしなければ unless a great many things are sacrificed along the way / without sacrificing many things など、「犠牲にしなければ」という条件を否定的な構文(unless / without)で処理できているか。
4点 一つの大きな仕事が完成するはずがない No great undertaking can ever be completed / Any great accomplishment requires… など、無生物主語構文または二重否定構文のいずれかで、「〜するはずがない」という強い否定的推量を表現できているか。great の位置づけ(「大きな仕事」=「野心的な目標・偉業」)が適切に反映されているか。

リスニング問題は本ページでは扱っていません。

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