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●京都大学 1993 英語
英作文解説(大問Ⅲ)
出典:京都大学 1993 前期入学試験英語 大問Ⅲ(和文英訳)
※本解説はOBLECTOによる教材です。公式の採点基準ではありません。
(1)あなたがどこかの場所を訪れるとすると、当然のことながら土地が主人公となる。ガイドに案内されようと、ガイドブックを持って歩こうと同じことなのだ。まず、どこへ行こうかとプランを立てるそもそもの始まりから、場所が主導権を握り、あなたはその従順な奴隷となってしまう。
(2)初対面の時には、相手が一体どんな人か分からない。何となく重苦しい雰囲気で、緊張しているし、多少とも不安である。そんな時、お互いにニコッと笑い合えたら、それで意思が通じ合えたような気になり、安心して話せそうに思えてくる。
(訳)あなたが特定の場所を訪れるとき、その場所自体が主人公になるのは当然のことだ。ガイドに案内されようと、ガイドブックを持って歩こうと違いはない。どこへ行こうかと計画を立てるそもそもの始まりから、場所が主導権を握り、あなたはそれの従順な奴隷になってしまう。
(訳)誰かと初めて会うとき、相手がどんな人なのか分からない。雰囲気はどことなく重苦しく、緊張しているし多少なりとも不安である。そんな時、お互いに微笑み合うことができれば、意思が通じ合えたような気になり、安心感を持って話すことができるように思えてくる。
※より平易な語彙・構文を使った解答例です。シンプルに伝えることを最優先にしています。
(訳)ある場所を訪れるなら、もちろんその場所が主役を演じる。ツアーガイドを使おうとガイドブックを使おうと同じことだ。どこへ行くか計画し始める時でさえ、場所がすべてをコントロールし、あなたはただ奴隷のようにそれに従うだけだ。
(訳)初めて人に会うとき、相手について何も分からない。重い雰囲気の中で緊張し、少し心配に思う。そのとき、お互いに微笑み合えば、お互いを理解し、怖がらずに話せるように感じる。
①「当然のことながら」の表現
模範解答のように it is natural that … 構文を使うのが最も確実です。よりシンプルにするなら、別解のように副詞の of course や naturally を文頭に置く形でも十分に対応できます。
②「土地が主人公となる」の比喩の訳し方
「主人公」をそのまま直訳気味に the main character とする表現のほか、比喩を噛み砕いて「主役を演じる」という意味の play the leading part や play the chief role を用いると英語として非常に自然になります。
①「~しようと…しようと同じことだ」の構文
It makes no difference whether A or B(AであろうとBであろうと違いはない)という構文が最もきれいに当てはまります。苦手な人は、もっとシンプルに It is the same whether A or B と表現しても全く問題ありません。
②「案内される」の受動態
ガイド「によって」案内されるので、be guided by a guide と受動態を使います。同じ単語が続くのを避けたい場合は、use a tour guide(ツアーガイドを利用する)のように能動的な表現に変えるとすっきりします。
①「そもそもの始まりから」の強調
From the very beginning of ~ という表現を使います。この very は名詞を強調する形容詞で、「まさにその始まりから」という意味を表します。
②「主導権を握る」のフレーズ
決まり文句である take the initiative を覚えていると強力です。もし思い出せない場合は、別解のように「場所がすべてをコントロールする」という意味で the place controls everything と言い換える工夫が有効です。
③「従順な奴隷」の訳出
「従順な」は obedient を使います。「奴隷」は slave です。直訳が難しい場合は、you just follow it like a slave(奴隷のようにただそれに従うだけだ)と動詞中心に展開すると書きやすくなります。
①「初対面の時には」の訳し方
「誰かと初めて会うとき」と言い換えて、When you meet someone for the first time とする記述が一般的です。
②「相手が一体どんな人か」の間接疑問文
what kind of person they are(彼らがどんな種類の人間か)という間接疑問の形を作ります。英語では単数の someone を受ける代名詞として、性別を限定しない they を使うのが現代では標準的です。より簡単に you don’t know anything about them としても意味は通じます。
①「何となく重苦しい雰囲気」の処理
雰囲気(atmosphere)を主語にして、The atmosphere is somewhat heavy とするのがスマートです。または自分がそう感じるという意味で You feel … in a heavy atmosphere と繋げても構いません。
②「多少とも不安である」の表現
「多少とも・多かれ少なかれ」は more or less という熟語がぴったりです。形容詞「不安な」は anxious や worried を使用します。
①「ニコッと笑い合う」の語彙
声を立てずに微笑むニュアンスなので、laugh ではなく smile を選び、smile at each other と表現するのが最適です。
②「意思が通じ合えたような気になる」
「まるで〜であるかのように感じる」の feel as if + 仮定法(または直説法) を用います。意思が通じる=「お互いを理解し合う」と考えて、understood each other とする形が最もシンプルで減点されません。
③「安心して話せそうに思えてくる」
「安心感を持って」は with a sense of security や、副詞的に comfortably を使います。別解のように否定を応用して talk without fear(恐怖心なしに話せる)とするアプローチも有効です。
※英文をクリックするとその場でネイティブ音声(TTS)が再生されます。
| 単語・熟語 | 意味 | 使い方・例文 |
|---|---|---|
| main character 名詞句 |
主人公、主要な登場人物 |
The place itself becomes the main character of your journey. その場所自体があなたの旅の主人公になる。 |
| make no difference 熟語 |
違いがない、どちらでも同じだ |
It makes no difference whether you agree or not. あなたが賛成しようとしまいと違いはない。 |
| take the initiative 熟語 |
主導権を握る、率先してやる |
In travel, the destination often takes the initiative. 旅行においては、しばしば目的地が主導権を握る。 |
| obedient 形容詞 |
従順な、素直に従う |
The dog is very obedient to its master. その犬は主人に対して非常に従順だ。 |
| slave 名詞 |
奴隷 |
You should not become a slave to your work. 仕事の奴隷になってはいけない。 |
| for the first time 熟語 |
初めて、初対面で |
They met each other for the first time at the conference. 彼らはその会議で初めてお互いに出会った。 |
| atmosphere 名詞 |
雰囲気、大気 |
The restaurant has a very friendly atmosphere. そのレストランはとてもフレンドリーな雰囲気がある。 |
| more or less 熟語 |
多少とも、多かれ少なかれ |
Most people feel more or less anxious before an exam. 大半の人が試験の前には多少なりとも不安を感じる。 |
| feel as if … 熟語 |
まるで…であるかのような気がする |
I felt as if I had known him for many years. 私はまるで何年も彼を知っているかのような気がした。 |
| sense of security 名詞句 |
安心感、安全性の自覚 |
A warm smile gives the listener a sense of security. 温かい微笑みは聞き手に安心感を与える。 |
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