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●京都大学 英語
英作文解説(1992年度・大問Ⅲ)
出典:1992年度(平成4年度)京都大学前期入学試験英語 大問Ⅲ(和文英訳)
※本解説はOBLECTOによる教材です。公式の採点基準ではありません。
(1)ヨーロッパの古い大学の多くは大都市の喧騒を離れた美しい田園か小さな町にあった。時代の目まぐるしい変化から一定の距離を保ち、思索と瞑想のうちに過去の文化遺産を検討し、次第に新しい文化をつくりあげていった。
(2)このごろ昔の長い小説を読んでいる。一つには、当今のものを退屈しながら読むくらいなら、前に読んで重い手応えのあったものを再読したいという気持ちになったためであり、もう一つには、長大な作品を書いていくなかで作者が成熟して行くのをみるのが面白くなったためである。
(訳)ヨーロッパの古い大学の多くは、大都市の喧騒から離れた、美しい田園地方や小さな町に位置していた。時代の目まぐるしい変化から一定の距離を保ちながら、彼らは思索と瞑想の中で過去の文化遺産を検討し、次第に新しい文化を築き上げていった。
(訳)このごろ私は昔の長い小説を読んでいる。一つには、当今のものに退屈させられるくらいなら、以前読んだときに深い感銘(重い手応え)を与えてくれたものを再読したいという気持ちになったからであり、もう一つには、長大な作品を書くプロセスの中で作者がどのように成熟していくのかを見るのが面白くなったからである。
※より平易な語彙・構文を使った解答例です。難解な熟語を避け、シンプルな構文に分解しています。
(訳)ヨーロッパのほとんどの古い大学は、騒がしい大都市から遠く離れた、美しい田舎の地域や小さな町にあった。それらは社会の非常に速い変化から離れていた。それらの静かな場所で、彼らは過去の文化について深く考え、そして少しずつ、新しい文化を作り出した。
(訳)最近、私はずっと昔に書かれた長い小説を読んでいる。一つの理由は、現代の小説を読むことは私にとって退屈なので、以前私を深く感動させた本をもう一度読みたいからだ。もう一つの理由は、作家たちがとても長い本を書いている間にどのように成長していくのかを見るのが楽しくなったからだ。
①「大都市の喧騒を離れた」の訳し方
「喧騒」の定番表現は hustle and bustle です。これを覚えていれば、away from the hustle and bustle of big cities とスマートに書けます。苦手な人は、シンプルに far from noisy big cities(騒がしい大都市から遠く離れて)と処理すれば十分減点を防げます。
②「美しい田園か小さな町にあった」の表現
大学の所在地を表すので were located in ~ または単に were in ~ を使います。「田園」は countryside や country areas で表現しましょう。
①「時代の目まぐるしい変化から一定の距離を保ち」の処理
主語は引き続き「大学(それら)」です。模範解答では分詞構文を使い、Keeping a certain distance from the dizzying changes of the times としています。「目まぐるしい」は「目が回るような」という意味の dizzying や、シンプルに very fast(とても速い)で代用できます。別解のように文を2つに分ける(They stayed away from…)のも苦手な人にはおすすめです。
②「思索と瞑想のうちに」の訳語
「思索」は thought、「瞑想」は meditation がぴったりです。前置詞 in を用いて in thought and meditation とします。難しければ thinking deeply(深く考えること)と言い換えましょう。
③「文化遺産」と「つくりあげていった」
「文化遺産」は cultural heritage。「検討する」は examine(詳細に調べる、考察する)が最適。「つくりあげる」は build up や create で表現します。「次第に」は gradually や little by little を使いましょう。
①時制の選択
「このごろ~している」という現在の習慣・進行中の動作なので、現在進行形(I am reading)を用います。「このごろ」は these days や recently が適しています。
②「昔の長い小説」
long, old novels で十分伝わります。別解のように long novels written a long time ago と関係過去分詞で後ろから修飾する形にしても分かりやすいです。
①「一つには~、もう一つには…」の構文
理由を2つ並べる重要構文 partly because ~, and partly because … を使うと非常に綺麗に収まります。これが思い浮かばない場合は、別解のように One reason is that ~. Another reason is that … と2つの文に完全に切り離すのが安全な戦略です。
②「当今のものを退屈しながら読むくらいなら、~を再読したい」
「AよりむしろBしたい」は would rather B than A や feel like doing B rather than A が使えます。「当今のもの」は contemporary ones または modern novels。「退屈しながら」は受動の関係を用いて being bored by ~(~によって退屈させられる)とするか、reading modern novels is boring for me(現代の小説を読むことは退屈だ)と主客をひっくり返して訳すと簡単になります。
③「重い手応えのあったもの」の比喩表現
読書における「重い手応え」とは、内容が深く、強い印象や感動を残したということです。そのまま直訳しようとせず、gave me a profound impression(深い感銘を与えた)や、シンプルに moved me deeply(私を深く感動させた)と言い換えましょう。
④「長大な作品を書いていくなかで作者が成熟して行くのをみる」
「~するのをみる」は知覚動詞の see + 目的語 + 動詞の原形(またはing) を使います。模範解答では see how authors mature と間接疑問文の形にしています。「成熟する」は動詞の mature、または grow up。「長大な作品」は lengthy works や very long books です。
※赤字の例文をクリックすると音読されます。
| 単語・熟語 | 意味 | 使い方・例文 |
|---|---|---|
| be located in ~ 熟語 |
~に位置している、ある |
The old university was located in a beautiful town. その古い大学は美しい町に位置していた。 |
| hustle and bustle 名詞句 |
(都会などの)喧騒、雑踏 |
I wanted to live away from the hustle and bustle of big cities. 私は大都市の喧騒から離れて暮らしたかった。 |
| dizzying 形容詞 |
目まぐるしい、目が回るような |
The world is experiencing dizzying changes of the times. 世界は時代の目まぐるしい変化を経験している。 |
| meditation 名詞 |
瞑想、熟考 |
He spent hours in deep thought and meditation. 彼は深い思索と瞑想のうちに何時間も過ごした。 |
| cultural heritage 名詞句 |
文化遺産 |
We must protect the cultural heritage of the past. 私たちは過去の文化遺産を守らなければならない。 |
| gradually 副詞 |
次第に、徐々に |
They gradually built up a new culture over many years. 彼らは長年をかけて次第に新しい文化を築き上げた。 |
| partly because ~ 構文 |
一つには~という理由から |
It is partly because I want to reread this book. 一つには、この本を再読したいという気持ちがあるからだ。 |
| contemporary 形容詞 |
当今の、現代の |
I am tired of reading contemporary novels. 私は当今の小説を読むのに飽きている。 |
| profound 形容詞 |
(影響・感銘などが)深い、重大な |
The old story gave me a profound impression. その昔の物語は私に深い感銘(重い手応え)を与えた。 |
| mature 動詞 |
成熟する、大人になる |
It is interesting to see how authors mature over time. 作者が時間の経過とともにどのように成熟していくかを見るのは面白い。 |
| lengthy 形容詞 |
長大な、非常に長い |
Writing lengthy works requires a lot of patience. 長大な作品を書くには多くの忍耐が必要だ。 |
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