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●京都大学 英語
英作文解説(1987年度・大問Ⅲ)
出典:1987年度 京都大学前期入学試験英語 大問Ⅲ(和文英訳)
※本解説はOBLECTOによる教材です。公式の採点基準ではありません。
(1) 現代社会では、お互いの利害関係によって結びつくことが多い。ともすれば人間そのものは社会的、経済的地位のかげにかくれて、かすんでしまいがちである。もっと個人の魅力に基づいた人間関係を築き、うるおいのある社会にしたいものだ。
(2) ここは伊豆半島中部の小さい村である。バスの終点になっているY村からさらに2キロほど山へ入っている。村から都会へ働きに出ているものや、他郷へ嫁いでいる女たちの何人かは、正月休みに村に帰ってくる。毎年帰ってくるものもあれば、何年かぶりで顔を見せるものもある。
(訳)現代社会では、人々はお互いの利害関係によって結びつくことが多い。人間そのものは社会的、経済的地位のかげに隠れて、かすんでしまいがちである。もっと個人の魅力に基づいた人間関係を築き、より潤いのある、人間味豊かな社会にしたいものだ。
(訳)ここは伊豆半島中部の小さな村である。バス路線の終点であるY村から、さらに山の中へ2キロほど入ったところにある。都会へ働きに出ている村の人々や、他の地域へ嫁いだ何人かの女性たちは、正月休みに村へ帰ってくる。毎年帰ってくる者もいれば、数年ぶりに顔を見せる者もいる。
※より平易な語彙・構文を使った解答例です。シンプルな表現でも十分に減点を防げます。
(訳)今日の社会では、私たちは自分の利益のためだけにお互いとつながることが多い。そのため、人間としての私たちが誰であるかは、社会的・経済的地位の後ろで簡単に忘れられがちだ。個人の魅力に基づいた人間関係を作り、社会をもっと暮らしやすくできたらいいのにと思う。
(訳)ここは伊豆半島の中心にある小さな村だ。バスが最後に止まるY村から、山を2キロほど登ったところにある。正月休みの間、何人かの人々がこの村に帰ってくる。彼らの中には、大都市で働く人々や、他の場所の男性と結婚した女性たちが含まれる。彼らのうち毎年帰る者もいれば、久しぶりに帰る者もいる。
①「お互いの利害関係」の訳し方
「利害関係」は mutual interests(共通の/相互の関心・利益)と表現するのが最もスマートです。苦手な場合は、for our own gain(自分たちの利益のために)や business relations のように言い換えても意味は伝わります。
②「結びつく」の動詞
be bound together(強く結びつけられている)や、よりシンプルに be connected to each other が使えます。主語は一般の人々 people や we を設定しましょう。
①「人間そのもの」の主語設定
our personality itself や human nature とすると格調高い英語になります。難しければ、別解のように名詞節を使って who we are as humans(人間としての私たち自身)と表現すると、平易な単語だけで正確にニュアンスを再現できます。
②「ともすれば~しがちである」
定番の tend to be ~ や be apt to be ~ を使えば綺麗に収まります。単純に is easily forgotten / hidden と副詞で処理するのも手です。
③「かげにかくれて、かすむ」
「地位の陰に隠れる」は be hidden behind social and economic status。「かすむ」は存在感が薄れるという意味なので、grow dim(薄暗くなる、ぼやける)や be overshadowed などが適しています。
①「~したいものだ(願望・提案)」の切り出し
We should do ~(私たちは~すべきだ)と一般論に落とし込むか、I wish we could do ~(~できればよいのに)という個人の願望の形で表現します。
②「うるおいのある社会」の比喩の処理
日本語の「うるおい」をそのまま直訳することはできません。これは「心の豊かさや人間らしさがあること」を意味するので、humane society(人道的な/人間味のある社会)や enriched society(豊かな社会)と訳します。苦手な人は a society comfortable to live in(暮らし心地のよい社会)と噛み砕きましょう。
①場所の紹介
This is a small village… で始めれば問題ありません。「伊豆半島中部」は in the central part of the Izu Peninsula またはシンプルに in the center of the Izu Peninsula とします。
①位置関係の示し方
主語を前文の村(It)とし、It is located about two kilometers further into the mountains と記述します。「山へ入る」は山に向かって奥に進むことなので、into the mountains や up in the mountains が適切です。
②「バスの終点になっているY村」
Y村を先行詞にして関係代名詞の非制限用法(コンマ付きの which/where)を使うとすっきり繋がります。Village Y, which is the last stop of the bus line または Y Village, where the bus stops last と表現できます。
①複雑な主語の整理
「〜なもの(A)」と「〜な女たち(B)の何人か」が並列になっています。模範解答のように Some of A, and some of B, come back… とする構造がスマートです。文構造が難しく感じる場合は、別解のように「何人かの人々が帰ってくる。彼らにはAやBが含まれる」と They include… を用いて2文に分割するとミスが防げます。
②「他郷へ嫁いでいる」の英訳
「嫁ぐ」とは結婚して相手の土地に移り住むことなので、marry into other communities(他の共同体に結婚して入る)や marry men in other places(他の場所の男性と結婚する)と具体化して表現します。
①「〜もあれば、…もある」の対比構文
Some ~, while others … の形を使うのが王道です。
②「何年かぶりで顔を見せる」のイディオム
「顔を見せる」はひょっこり現れるニュアンスを含む show up や appear が合います。「何年かぶりで」は for the first time in several years とするか、少し崩して after a long time としても十分に通じます。
※赤字の例文をクリックすると音読されます。
| 単語・熟語 | 意味 | 使い方・例文 |
|---|---|---|
| be bound together 熟語 |
お互いに結びついている |
The two families were bound together by a common history. その二つの家族は共通の歴史によって結びついていた。 |
| mutual interests 名詞句 |
お互いの利害関係、共通の関心事 |
Our partnership is based completely on mutual interests. 私たちの協力関係は、完全にお互いの利害関係に基づいている。 |
| status 名詞 |
(社会的・経済的な)地位、身分 |
He worked hard to improve his economic status. 彼は自分の経済的地位を向上させるために懸命に働いた。 |
| grow dim 熟語 |
かすむ、薄暗くなる、衰える |
Old memories will eventually grow dim. 古い記憶はやがてかすんでしまうものだ。 |
| humane 形容詞 |
人間味のある、人道的な、優しい |
We need to build a more humane society for everyone. 私たちは皆のためにもっと人間味のある社会を築く必要がある。 |
| be located 熟語 |
〜に位置している、ある |
The village is located deep in the mountains. その村は山の奥深くに位置している。 |
| the last stop 名詞句 |
(バスや電車の)終点 |
Get off the bus at the last stop. バスの終点で降りてください。 |
| marry into ~ 熟語 |
(〜の家庭や土地に)嫁ぐ、結婚して入る |
She left her hometown and married into a farming family. 彼女は故郷を離れ、農家に嫁いだ。 |
| show up 熟語(口語) |
姿を現す、顔を見せる、やってくる |
He didn’t show up for the party last night. 彼は昨夜のパーティーに顔を見せなかった。 |
| for the first time in ~ 熟語 |
〜年ぶりに、〜期間ぶりに |
I met my old friend for the first time in ten years. 私は10年ぶりに古い友人に会った。 |
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