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●京都大学 英語
英作文解説(2014年度・大問Ⅲ)
出典:2014年度 京都大学前期入学試験英語 大問Ⅲ(和文英訳)
※本解説はOBLECTOによる教材です。公式の採点基準ではありません。
(1)近年、電子書籍の普及が急速に進んできた。アメリカほどではないが、日本でも、パソコンや耳慣れない機器で文章を読む機会は増える一方である。しかし、中高年層に限らず、紙の本でないとどうも読んだ気がしないという人も多い。論文でも小説でも普通にコンピュータで執筆される時代だけれども、きちんと製本された真新しい本には、何とも言えない味わいがあるらしい。
(2)きのう通勤帰りの満員電車で揺られていたら、小学生ぐらいの男の子が大きな声を張り上げて車内の人込みをかき分けて走ってきた。子供は頬を真っ赤に染めて、「運転手さん、さっきの駅で降ろしてください!」と叫んでいた。放置物でもしたのだろうか?だとしたら、あの必死の形相からして、よほど大事なものだったに違いない。
(訳)近年、電子書籍が急速に普及してきた。アメリカほどではないが、日本でもパソコンや見慣れない機器で文章を読む人が増えている。しかし、年齢にかかわらず多くの人が、紙に印刷された本でなければ本当に本を読んだ気がしないと感じている。論文や小説が今やコンピュータで書かれるのが普通であるとはいえ、きちんと製本された真新しい本には、言葉にできない魅力があるようだ。
(訳)昨日、仕事帰りの満員電車に揺られていると、小学生くらいの男の子が声を張り上げて人混みをかき分け走ってきた。頬を真っ赤に染めて、その子は「運転手さん、さっきの駅で降ろしてください!」と叫び、次の瞬間には私の目の前から消え去った。何か置き忘れたのだろうか。もしそうなら、あの必死の様子からして、よほど重要なものだったに違いない。
※難しい語彙を避け、シンプルでミスが起きにくい構文で組み立てた解答例です。
(訳)最近、ますます多くの人が電子書籍を読んでいる。アメリカほどその傾向は強くないが、日本でも多くの人がPCや新しい種類の機器で文章を読んでいる。しかし、お年寄りだけでなく多くの若者も、紙の本を持っていなければ本当に読んでいる気がしないと感じている。今日、人々は普通論文も小説もコンピュータで書くが、真新しい美しく作られた本には特別な良さがあるようだ。
(訳)昨日、仕事から家に帰る途中のとても混んだ電車の中にいた。そのとき、小学生に見える男の子が大きな声で叫びながら人混みを走ってきた。顔を真っ赤にして、彼は「運転手さん!たった今通り過ぎた駅で降ろしてください!」と叫んだ。それから彼はとても早く私の視界から消えた。何か忘れたのだろうか?もしそうなら、とても必死に見えたので、それはとても重要なものだったに違いない。
①「普及が進む」の表現
「普及」を直訳して diffusion や spread を使うよりも、e-books have become popular(電子書籍が人気になる、一般的になる)とするのが自然で英語らしい表現です。
② 時制の選択
「進んできた」という過去から現在にかけての変化を表すため、現在完了形(have become)を用いるのが最適です。
①「アメリカほどではないが」
比較の表現です。Although not to the same extent as in America(アメリカと同じ程度ではないが)が洗練されています。古い英語が苦手な人は Though the trend is not as strong as in the US のように、文を分けて組み立てると楽になります。
②「耳慣れない機器」
「耳慣れない」は「聞き慣れない=あまり見たことも使ったこともない」という意味なので、unfamiliar devices(馴染みのない機器)や new kinds of devices と訳します。
③「増える一方である」
an increasing number of people(増え続ける人々の数)を主語にするか、more and more people are … という形を使うとスムーズに表現できます。
①「中高年層に限らず」
regardless of their age(年齢に関わらず)と処理すると簡潔です。あるいは別解のように not only older people but also many young people(高齢者だけでなく若者も)と言い換えても同じ意味を伝えられます。
②「読んだ気がしない」
「もし紙の本でなければ、本当に読んだと感じられない」という条件の形に落とし込みます。feel that they have not truly read a book unless it is printed on paper と表現できます。
①「きちんと製本された真新しい本」
「製本する」は bind(過去分詞形は bound)を使います。「きちんと」は properly。真新しいは brand-new や newly published で表現可能です。
②「何とも言えない味わい」
味わいは「魅力」や「特別な性質」と言い換えます。indescribable charm(言葉にできない魅力)や special quality(特別な質・良さ)などが適切です。
①「満員電車で揺られていたら」
「揺られる」は be jolted around や be shaken で表せます。満員電車は a packed train や a very crowded train です。
②「声を張り上げて」
shouting at the top of his voice という決まり文句がぴったりです。シンプルに shouting loudly でも減点されません。
③「人込みをかき分けて走ってきた」
「人混みの中を走る」と考えて ran through the crowd とする。あるいは「かき分ける」のニュアンスを強めて push his way through the crowd としても良いでしょう。
①「頬を真っ赤に染めて」
付帯状況の with を使い、with his cheeks flushed bright red とするのがスマートです。シンプルに別解の His face was very red と別文にしても問題ありません。
②「さっきの駅で降ろしてください」
動詞は let me off や let me get off を使います。「さっきの駅」はすでに通り過ぎた駅なので、電車内の発言としては the last station や the station we just passed(たった今通り過ぎた駅)と表現するのが正確です。
①「たちまちのうちに」
in an instant(一瞬で)や very quickly(非常に素早く)で表現します。
②「目の前から姿を消した」
vanished from before my eyes、または視界から消えたという意味で disappeared from my sight と表現します。
①「忘れ物でもしたのだろうか?」
自問している表現なので、I wondered if he had left something behind. とする。直接疑問文で Did he forget something? と短く尋ねる形でも大丈夫です。
②「あの必死の形相からして」
「必死の表情によって判断すると」と考えて、judged by his desperate look とする。あるいは、because を用いて because he looked so desperate(彼はとても必死に見えたので)と言い換えると一気に書きやすくなります。
③「~だったに違いない」
過去の確信に近い推量なので、助動詞を用いた must have been ~ の形を使いましょう。
※赤字の例文をクリックすると音読されます。
| 単語・熟語 | 意味 | 使い方・例文 |
|---|---|---|
|
to some extent 熟語 |
ある程度まで |
The trend is growing, though not to the same extent as in the US. アメリカと同じ程度ではないが、その傾向は高まっている。 |
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unfamiliar 形容詞 |
馴染みのない、見慣れない |
He found himself reading texts on unfamiliar electronic devices. 彼は見慣れない電子機器で文章を読んでいる自分に気づいた。 |
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regardless of ~ 熟語 |
~に関わらず |
Many people prefer paper books, regardless of their age. 年齢に関わらず、多くの人が紙の本を好む。 |
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unless + 文 接続詞 |
~でなければ、~しない限り |
They feel they haven’t read a book unless it is printed on paper. 紙に印刷されたものでなければ、彼らは本を読んだ気がしない。 |
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properly bound 形容詞句 |
きちんと製本された |
A properly bound book has a very unique feel. きちんと製本された本には、非常に独特な手触りがある。 |
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indescribable 形容詞 |
言葉で言い表せない |
The old printed book had an indescribable charm. その古い印刷本には、何とも言えない味わいがあった。 |
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be jolted around 熟語 |
(乗り物などで)揺さぶられる |
I was being jolted around in a packed commuter train. 私は超満員の通勤電車の中で揺られていた。 |
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at the top of one\’s voice 熟語 |
大声を張り上げて |
The little boy was shouting at the top of his voice. その小さな男の子は大声を張り上げて叫んでいた。 |
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flush 動詞 |
(顔などが)赤らむ |
He ran through the crowd with his cheeks flushed bright red. 彼は頬を真っ赤に染めて人混みを走り抜けた。 |
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let someone off 熟語 |
(乗客を)降ろす |
Please let me off at the next station. 次の駅で私を降ろしてください。 |
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vanish 動詞 |
(突然)姿を消す |
The boy vanished from before my eyes in an instant. 男の子は一瞬のうちに私の目の前から姿を消した。 |
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leave behind 熟語 |
置き忘れる、後に残す |
I wondered if he had left something valuable behind. 彼は何か大切なものを置き忘れたのだろうかと思った。 |
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desperate 形容詞 |
必死の、一か八かの |
Judged by his desperate look, it must be important. 彼の必死の形相からして、それは重要なものに違いない。 |
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must have + 過去分詞 文法構文 |
~だったに違いない(過去の確信) |
It must have been something of great importance to him. それは彼にとってよほど大事なものだったに違いない。 |
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