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京都大学 英作文 2002

(き)京都大学






京都大学 英語 英作文解説(2002年度・大問III)




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●京都大学 英語
英作文解説(2002年度・大問Ⅲ)

出典:2002年度 京都大学前期入学試験英語 大問Ⅲ(和文英訳)
※本解説はOBLECTOによる教材です。公式の採点基準ではありません。

■ 問題文(原文)
III
(1)私たちは、周囲にあまりにもたくさんある文化財になれっこになって、その存在を当然のように思いがちである。しかしほんとうは、一つ一つの文化財は、それを維持するために尽くしてきた数多くの人々の多年の努力の結晶なのだ。文化財をおろそかにすることは、そうした人々の努力をないがしろにすることであるという事実を忘れてはならない。

(2)昔は同じ町内に怖い大人が必ず何人かいて、子供が人として恥ずかしいことをすると、いつも本気になって説教してくれたものである。そこには、子供を地域社会全体で育てるのだという強い意識が存在していたのだと思う。そんな雰囲気のおかげで、子供も自分は社会の一員であるという自覚をはぐくんでいくことができた。

■ 模範解答
【(1)模範解答】
▶ 模範解答(赤文字をクリックで音読)

We are so used to the cultural properties surrounding us that we tend to take their existence for granted. In reality, however, each property is the fruit of many years of effort made by numerous people who have done their best to preserve it. We must not forget the fact that neglecting cultural properties means ignoring the efforts of such people.
(訳)私たちは、自分の周囲にある文化財にとても慣れてしまっているので、その存在を当然のことと考えがちである。しかし、現実には、一つ一つの(文化)財はそれを保存するために最善を尽くしてきた非常に多くの人々による多年の努力の成果なのである。文化財を無視することは、そうした人々の努力を無視することを意味するという事実を忘れてはならない。

【(2)模範解答】
▶ 模範解答(赤文字をクリックで音読)

In the past, there were always some adults in the neighborhood whom children were afraid of, and they used to scold children seriously whenever they did something disgraceful as human beings. I think that there was a strong awareness that children should be brought up by the whole community. Thanks to such an atmosphere, children were able to develop a sense of being a member of society.
(訳)昔は、近所に子供たちが恐れる大人が必ず何人かいて、子供が人間として不名誉なことをしたときにはいつでも、彼らは子供を本気で叱ったものだった。私は、子供は地域社会全体によって育てられるべきだという強い意識があったのだと思う。そのような雰囲気のおかげで、子供たちは社会の一員であるという意識を発達させることができた。

■ 別解(英語が苦手な人向け)

※より平易な語彙・構文を使った解答例です。減点を防ぎ、確実に部分点を確保するための構成です。

【(1)別解】
▶ 別解(青文字をクリックで音読)

We see too many cultural assets around us every day, so we often think that they should always be there. But actually, every single asset was made by the hard work of a lot of people over a long time to keep it. We must remember that if we do not take care of cultural assets, we waste the hard work of those people.
(訳)私たちは毎日、周囲にあまりにも多くの文化財を見ているので、それらがいつもそこにあるのが当たり前だとしばしば思ってしまう。しかし実際には、それを維持するために長い時間をかけた多くの人々の大変な努力によって、一つ一つの財は作られた。文化財を大切にしないことは、それらの人々の苦労を無駄にすることだということを、私たちは覚えておかなければならない。

【(2)別解】
▶ 別解(青文字をクリックで音読)

Long ago, every neighborhood had some strict adults. When children did bad things that humans should not do, these adults always got angry and talked to them seriously. I believe people at that time strongly felt that the whole local town must raise children together. Because of this feeling, children could learn that they belonged to society.
(訳)大昔、どの近所にも厳しい大人が何人かいた。子供たちが、人間としてすべきでない悪いことをしたとき、これらの大人はいつも怒り、彼らに本気で話をしてくれた。当時の人々は、地域社会全体が一緒に子供を育てなければならないと強く感じていたのだと思う。この気持ちのおかげで、子供たちは自分が社会に属しているのだということを学ぶことができた。

■ 解説
【(1)文ごとの解説】
第1文:「私たちは、周囲にあまりにもたくさんある文化財になれっこになって、その存在を当然のように思いがちである。」
▶ 解説ポイント

①「文化財」の訳し方
「文化財」は英語で cultural propertiescultural assets と表現するのが一般的です。propertyは不可算名詞(財産)としても使われますが、具体的な文化財の品々を指すときは複数形にすることが多いです。

②「~になれっこになって…」の構造
「あまりにも~なので…」という因果関係を読み取り、so ~ that … 構文を使うと非常にすっきりとまとまります。「なれっこになる」は be used to ~be accustomed to ~ を使用します。英語が苦手な場合は、別解のように so で2文を繋ぐ形に言い換えても問題ありません。

③「当然のように思う」の定型表現
take ~ for granted(~を当然のことと思う)は必須の重要熟語です。ここでは「存在」が目的語なので take their existence for granted とします。別解では「いつもそこにあるべきだと思う」(think that they should always be there) と噛み砕いています。

第2文:「しかしほんとうは、一つ一つの文化財は、それを維持するために尽くしてきた数多くの人々の多年の努力の結晶なのだ。」
▶ 解説ポイント

①「~の結晶」の比喩表現
「結晶」をそのまま crystal と訳すと、物理的な鉱物の意味になってしまい不自然です。比喩的な「努力の結晶・成果」は fruit of effortresult of hard work と表現するのが英語らしい形です。

②「それを維持するために尽くしてきた」の修飾関係
「数多くの人々」を関係代名詞で後ろから修飾します。「~するために全力を尽くす」は do one’s best to dodevote oneself to doing、「維持する」は preservemaintain、平易に言うなら keep を用います。

第3文:「文化財をおろそかにすることは、そうした人々の努力をないがしろにすることであるという事実を忘れてはならない。」
▶ 解説ポイント

①「事実を忘れてはならない」の骨組み
We must not forget the fact that …(…という事実を忘れてはならない)という同格のthatを用いた構文が最も綺麗に決まります。

②「おろそかにする」「ないがしろにする」の処理
「おろそかにする」は 動名詞主語を使って neglecting cultural properties(文化財を無視・軽視すること)や not taking care of ~(~の世話をしないこと)とします。「ないがしろにする」も同様に ignoring(無視する)や wasting(無駄にする)と言い換えると英語にしやすくなります。

【(2)文ごとの解説】
第1文:「昔は同じ町内に怖い大人が必ず何人かいて、子供が人として恥ずかしいことをすると、いつも本気になって説教してくれたものである。」
▶ 解説ポイント

①「~したものだ」という過去の習慣
助動詞 used to do または would always do を使うことで、「~したものだ(回想)」というニュアンスを的確に表現できます。

②「怖い大人」「説教する」のニュアンス
「怖い大人」は子供が恐怖や畏怖を感じる対象なので、adults whom children were afraid of または「厳格な大人」と言い換えて strict adults とします。「説教する」は preach もありますが、ここではお説教を垂れるというより厳しく叱るニュアンスが強いので、scold seriously(本気で叱る)や talk to them seriously とする方が文脈に合います。

③「人として恥ずかしいこと」
「恥ずかしいこと」は something disgracefulsomething shameful。「人として」は as human beings や、関係代名詞を使って things that humans should not do(人間がすべきでないこと)のように噛み砕きます。

第2文:「そこには、子供を地域社会全体で育てるのだという強い意識が存在していたのだと思う。」
▶ 解説ポイント

①「~だと思う」の主語の設定
日本語には主語がありませんが、自分の確信・推量なので I think [believe] that … で文を始めます。

②「子供を地域社会全体で育てるのだという意識」
「意識」は awarenessconsciousness、あるいはもっとシンプルに「人々が~と感じていた」(people felt that…) と動詞化しても綺麗です。育てるは bring upraise を用い、受動態を使って children should be brought up by the whole community(子供はコミュニティ全体で育てられるべきだ)とすると座りが良くなります。

第3文:「そんな雰囲気のおかげで、子供も自分は社会の一員であるという自覚をはぐくんでいくことができた。」
▶ 解説ポイント

①「~のおかげで」の無生物主語構文・副詞句
模範解答のように Thanks to such an atmosphere, … と副詞句で処理するのが最も簡単です。雰囲気は atmosphere を用います。

②「社会の一員であるという自覚をはぐくむ」
「自覚・意識」は a sense of being a member of societyawareness that they belong to society(社会に属しているという意識)と表します。「はぐくむ」は develop(発達させる)や learn(学ぶ・身につける)を当てはめます。

■ 解答に使った単語・熟語リスト

※赤字の例文をクリックすると音読されます。

単語・熟語 意味 使い方・例文
be used to ~
熟語
~に慣れている We are used to the clean air in this town.
私たちはこの町のきれいな空気に慣れている。
cultural property
名詞
文化財 The government protects every cultural property.
政府はすべての文化財を保護している。
take ~ for granted
熟語
~を当然のことと思う Never take your health for granted.
自分の健康を当然のものと思ってはいけない。
fruit
名詞(比喩)
成果、結晶 The new law is the fruit of long discussions.
新しい法律は長年にわたる議論の結晶だ。
numerous
形容詞
数多くの、非常に多くの He has visited numerous historic sites.
彼は数多くの史跡を訪れたことがある。
preserve
動詞
~を保護する、維持する We must do our best to preserve old buildings.
私たちは古い建物を維持するために最善を尽くさねばならない。
neglect
動詞
~をおろそかにする、無視する You should not neglect your daily duties.
日々の義務をおろそかにすべきではない。
disgraceful
形容詞
恥ずべき、不名誉な His behavior at the school was disgraceful.
学校での彼の振る舞いは恥ずべきものだった。
used to do
助動詞
かつてよく~したものだ My grandfather used to scold me when I told a lie.
私が嘘をつくと、祖父はよく叱ったものだ。
bring up
熟語
(子供を)育てる She was brought up by her grandparents in the countryside.
彼女は田舎の祖父母によって育てられた。
awareness
名詞
意識、自覚 There is a growing awareness of the environment.
環境に対する意識が高まっている。
community
名詞
地域社会、共同体 Children are raised by the whole community.
子供たちは地域社会全体で育てられる。
thanks to ~
熟語
~のおかげで Thanks to the warm atmosphere, they felt safe.
温かい雰囲気のおかげで、彼らは安心した。
develop
動詞
(素質や能力などを)はぐくむ、発達させる The camp helps kids develop a sense of responsibility.
そのキャンプは子供たちが責任感をはぐくむのに役立つ。
belong to ~
熟語
~に属している、~の一員である Every person wants to feel that they belong to society.
誰もが自分が社会の一員であると感じたいと思っている。

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