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京都大学 英作文 2015

(き)京都大学






京都大学 英語 英作文解説(2015年度・大問III)




0.95

赤・青の英文をクリックで音読



●京都大学 英語
英作文解説(2015年度・大問Ⅲ)

出典:2015年度 京都大学前期入学試験英語 大問Ⅲ(和文英訳)
※本解説はOBLECTOによる教材です。公式の採点基準ではありません。

■ 問題文(原文)
III
(1)
花子:昨日の夕刊見た?絶滅の危機に瀕していたトキの雛が孵ったと書いてあったわ。
太郎:飼育係の人はさぞかし大変だったろうね。
花子:でも、この雛は自然に戻されたトキから生まれたのよ。
太郎:トキが住みやすい環境、つまり、きれいな水や空気があり、珍しい鳥だからと追いかけ回されたりしない場所というのは、僕たち人間にとっても居心地のよいものなのかもしれないね。
(トキ=Toki (or Japanese crested ibis))

(2)
世界には文字を持たない言語がたくさんあるらしい。毎日文字に囲まれて暮らしている私たちからすれば、さぞ不便なことだろうと思ってしまいがちだ。しかし、文字があろうがなかろうが、ことばの基本的な働きに変わりはない。文字のある言語のほうがない言語より優れているなどと考えるのは、とんでもない思い上がりだろう。

■ 模範解答
【(1)模範解答】
▶ 模範解答(赤文字をクリックで音読)

Hanako: Did you see yesterday’s evening paper? It said that a chick of the Japanese crested ibis, which had been on the verge of extinction, hatched.
Taro: The keepers must have had a very difficult time.
Hanako: But this chick was born to ibises that had been released into the wild.
Taro: An environment where it is easy for ibises to live, that is, a place where there is clean water and air and where they are not chased around just because they are rare birds, might also be a comfortable place for us humans to live in.
(訳)花子:昨日の夕刊見た?絶滅の危機に瀕していたトキの雛が孵ったと書いてあったわ。 / 太郎:飼育係の人はさぞかし大変だったろうね。 / 花子:でも、この雛は自然に戻されたトキから生まれたのよ。 / 太郎:トキが住みやすい環境、つまり、きれいな水や空気があり、珍しい鳥だからと追いかけ回されたりしない場所というのは、僕たち人間にとっても居心地のよいものなのかもしれないね。

【(2)模範解答】
▶ 模範解答(赤文字をクリックで音読)

It is said that there are many languages in the world that have no written form. Since we live surrounded by letters every day, we tend to think that it must be very inconvenient. However, whether a language has a writing system or not, the basic function of language remains the same. It would be a terrible mistake to assume that a language with a written form is superior to one without.
(訳)世界には文字を持たない言語がたくさんあるらしい。毎日文字に囲まれて暮らしている私たちからすれば、さぞ不便なことだろうと思ってしまいがちだ。しかし、文字があろうがなかろうが、ことばの基本的な働きに変わりはない。文字のある言語のほうがない言語より優れているなどと考えるのは、とんでもない思い上がりだろう。

■ 別解(英語が苦手な人向け)

※より平易な語彙・構文を使った解答例です。文法ミスを極力減らすための構成にしています。

【(1)別解】
▶ 別解(青文字をクリックで音読)

Hanako: Did you read yesterday’s evening newspaper? It said that a baby of Toki, which was almost disappearing, was born.
Taro: The people taking care of them must have worked very hard.
Hanako: But this baby came from Toki that were returned to nature.
Taro: A good place for Toki to live—in other words, a place where water and air are clean and they are not chased because they are rare—may also be a comfortable place for us.
(訳)花子:昨日の夕刊読んだ?消えかかっていたトキの赤ちゃんが生まれたと書いてあった。 / 太郎:彼らの世話をしていた人々は、とても熱心に働いたに違いない。 / 花子:でも、この赤ちゃんは自然に返されたトキから来たのよ。 / 太郎:トキが住むのに良い場所、言い換えれば、水と空気がきれいで、珍しいからといって追いかけられない場所は、私たちにとっても居心地が良い場所かもしれないね。

【(2)別解】
▶ 別解(青文字をクリックで音読)

I hear that many languages in the world do not have characters. We live among letters every day, so we are likely to think that their life is very inconvenient. But the basic role of words is the same whether they have characters or not. It is very arrogant to think that languages with writing are better than languages without it.
(訳)世界には文字を持たない言語がたくさんあると聞いています。私たちは毎日文字の間で生きているので、彼らの生活はとても不便だと思いがちです。しかし、文字があろうとなかろうと、言葉の基本的な役割は同じです。文字のある言語が、文字のない言語より優れていると考えるのは、とても傲慢なことです。

■ 解説
【(1)文ごとの解説】
第1文(花子):「昨日の夕刊見た?絶滅の危機に瀕していたトキの雛が孵ったと書いてあったわ。」
▶ 解説ポイント

①「~と書いてあった」の表現
新聞や本に「~と書いてある」と言うときは、It says that… または The newspaper says that… という形が最も一般的です。過去のことなので It said that… とします。

②「絶滅の危機に瀕していた」の訳し方
模範解答では on the verge of extinction(絶滅の瀬戸際にあって)や関係代名詞を使って修飾しています。英語が苦手な場合は、endangered(絶滅危惧の)という1語を使ったり、別解のように which was almost disappearing(ほとんど消えかかっていた)とシンプルに言い換えても十分に伝わります。

③「雛が孵った」
「雛」は鳥の赤ちゃんのことなので chick または baby。「孵る(かえる)」は hatch という動詞を使いますが、思い出せない場合は was born(生まれた)で逃げることが可能です。

第2文(太郎):「飼育係の人はさぞかし大変だったろうね。」
▶ 解説ポイント

①「さぞかし~だったろう(過去の強い推量)」
「~だったに違いない」という意味を込めて、助動詞の過去の推量表現 must have + 過去分詞 を使うのがベストです。

②「飼育係」と「大変だった」
「飼育係」は動物園などの係員を指す keeper を用います。苦手な人は the people taking care of them(彼らの世話をしている人々)と説明的に訳せば問題ありません。「大変だった」は had a very difficult time や、別解のように must have worked very hard(とても一生懸命働いたに違いない)とすると表現が作りやすくなります。

第3文(花子):「でも、この雛は自然に戻されたトキから生まれたのよ。」
▶ 解説ポイント

①「自然に戻された」の表現
「野生の中に解放された」と考えて released into the wild とする。または、よりシンプルに returned to nature としても十分に自然な英語になります。

②「~から生まれた」
受動態の was born to ~ を用いると、親( ibises )から生まれたニュアンスが綺麗に出せます。口語的な別解として came from ~ とするのも分かりやすくて安全です。

第4文(太郎):「トキが住みやすい環境、つまり、きれいな水や空気があり、珍しい鳥だからと追いかけ回されたりしない場所というのは、僕たち人間にとっても居心地のよいものなのかもしれないね。」
▶ 解説ポイント

①主語と述語を整理する
非常に長い文ですが、骨組みは「環境(場所)は、私たちにとっても居心地が良いものかもしれない」です。主語は An environment または A place。動詞部分は「~かもしれない」なので might bemay be を用います。

②「つまり」の同格表現
「つまり」は模範解答のように that is (to say) を挟むか、別解のようにダッシュ( — in other words, )を用いて情報を付け足すと処理しやすいです。

③「追いかけ回されたりしない」の受動態
鳥の視点で「追いかけられる」ので受動態にします。chase around(追いかけ回す)を受動態にして they are not chased around。理由の「珍しい鳥だからと」は just because they are rare birds と続けます。

【(2)文ごとの解説】
第1文:「世界には文字を持たない言語がたくさんあるらしい。」
▶ 解説ポイント

①「~らしい(伝聞)」
客観的な事実に基づいた噂や伝聞は It is said that…I hear that… で始めるのが最も無難です。

②「文字を持たない言語」
文字体系がないことを have no written formdo not have a writing system と言います。苦手な人はシンプルに do not have charactersletters(文字)とするだけでも意味は通じます。

第2文:「毎日文字に囲まれて暮らしている私たちからすれば、さぞ不便なことだろうと思ってしまいがちだ。」
▶ 解説ポイント

①「~に囲まれて暮らしている」の付帯状況・分詞構文
live surrounded by…(~に囲まれて暮らす)という表現が定番です。理由(~からすれば)を強調したいので、Since we live…Because we live… と接続詞から始めると論理展開が楽になります。

②「~してしまいがちだ」と「さぞ不便だろう」
「~しがちだ」は tend to thinkare likely to think を使います。「さぞ不便だろう」の推量はここでも強めの助動詞 must be very inconvenient(とても不便に違いない)を組み合わせるのが最適です。

第3文:「しかし、文字があろうがなかろうが、ことばの基本的な働きに変わりはない。」
▶ 解説ポイント

①「~があろうがなかろうが(譲歩)」
whether … or not の構文を使いこなしましょう。whether a language has a writing system or not のように条件節として挿入します。

②「基本的な働きに変わりはない」
「同じままである」と考えて the basic function remains the same と動詞 remain を使うと非常にスマートです。簡単に the basic role is the same(基本的な役割は同じである)としても減点されません。

第4文:「文字のある言語のほうがない言語より優れているなどと考えるのは、とんでもない思い上がりだろう。」
▶ 解説ポイント

①「~より優れている」の比較表現
ラテン系比較級の be superior to ~(~より優れている、than ではなく to を使う)がぴったり決まります。平易な表現であれば be better than ~ でも全く問題ありません。

②「とんでもない思い上がり」の訳し方
「思い上がり」は「誤った思いこみ」と考えて a terrible mistake / assumption とする手法、あるいは「傲慢(ごうまん)だ」と考えて It is very arrogant to think that…(形式主語構文)で処理する手法が考えられます。京大英作文では、このような抽象表現をいかに自分の知っている構文に噛み砕くかが勝負の分かれ目になります。

■ 解答に使った単語・熟語リスト

※赤字の例文をクリックすると音読されます。

単語・熟語 意味 使い方・例文
on the verge of ~
熟語
~の瀬戸際に、今にも~しそうで The species was on the verge of extinction.
その種は絶滅の危機に瀕していた。
hatch
動詞
(卵から雛が)孵化する、孵る The young chicks hatched after three weeks.
3週間後、小さな雛たちが孵った。
keeper
名詞
飼育員、番人 The animal keepers work hard every day.
動物の飼育員たちは毎日一生懸命働いている。
release into ~
熟語
~へ放流する、解放する The birds were released into the wild last year.
その鳥たちは昨年、野生に戻された。
that is (to say)
副詞句
つまり、言い換えれば He is an expert, that is, a professional.
彼は専門家、つまりプロフェッショナルだ。
chase around
熟語
~を追いかけ回す Children love to chase cats around in the park.
子供たちは公園で猫を追いかけ回すのが大好きだ。
written form
名詞句
文字表現、書き言葉の形態 Some languages have no written form at all.
言語の中には文字を持たないものもある。
surrounded by ~
分詞(形容詞用法)
~に囲まれた We live surrounded by digital devices today.
今日、私たちはデジタル機器に囲まれて暮らしている。
tend to do
熟語
~しがちである、~する傾向がある People tend to think their culture is normal.
人々は自分の文化が普通だと思ってしまいがちだ。
whether … or not
接続詞・構文
~であろうとなかろうと Whether it rains or not, the game will be held.
雨が降ろうが降るまいが、試合は行われる。
remain the same
熟語
同じままである、変わらない The basic value of human life remains the same.
人の命の根本的な価値は変わらない。
superior to ~
形容詞・熟語
~より優れている(thanではなくto) This new model is superior to the old one.
この新しいモデルは古いものより優れている。
arrogant
形容詞
傲慢な、思い上がった It is arrogant to assume that we know everything.
自分たちが全てを知っていると思い込むのは傲慢だ。

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