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●京都大学 英語
英作文解説(1982年度・大問Ⅲ)
出典:1982年度 京都大学前期入学試験英語 大問Ⅲ(和文英訳)
※本解説はOBLECTOによる教材です。公式の採点基準ではありません。
(1)自分を知るというくらいやさしいようでむずかしいことはない。しじゅう鏡の前に立つことが、自分を知ることではない。しじゅう鏡の前に立っても、いつまでも自分を知らない人がいる。鏡の前に立つ気持ちそのものが、かえって自分を知ることを妨げている場合がある。
(2)コップをふたつ洗って重ねておくと、とれなくなって困ることがあります。無理にはずそうとすると、割ってしまいかねません。こんなときは、外側のコップをぬるま湯につけ、内側のコップに冷たい水を入れると、簡単に離れます。
(訳)自分を知ることほど、やさしいように見えて実はむずかしいことはない。いつも鏡の前に立つことが、自分を知ることを意味するわけではない。絶えず鏡の前に立っていても、いつまでも自分自身を知らない人もいる。場合によっては、鏡で自分を見ようとする気持ちそのものが、自分を知ることを妨げるのである。
(訳)二つのコップを洗って一方をもう一方の中に重ねておくと、ときどきくっついて取れなくなり、困ることがある。無理に引き離そうとすると、割ってしまうかもしれない。そのような場合には、外側のコップをぬるま湯につけ、内側のコップに冷たい水を入れれば、簡単に離れる。
※より平易な語彙・構文を使った解答例です。採点上も十分通用します。
(訳)自分を知ることは簡単に聞こえるかもしれないが、実際にはとても難しい。何度も鏡を見ることは、自分を知ることと同じではない。よく鏡を見るのに、自分のことを本当には理解していない人もいる。ときには、鏡で自分を見たいという気持ちが、自分を知ることを妨げることさえある。
(訳)二つのコップを洗って一方をもう一方の中に入れると、くっついてしまうことがある。力ずくで引き離そうとすると、割ってしまうかもしれない。こうなったときは、外側のコップを温かい水につけ、内側のコップに冷たい水を入れる。すると、二つのコップは簡単に離れる。
①「〜ほど…なものはない」
Nothing is more difficult than knowing oneself. が基本形です。今回は「やさしいようでむずかしい」という逆説があるので、Nothing seems easier, and yet is more difficult, than … とすると日本語の逆説が出ます。
②「自分を知る」
書き言葉では know oneself が自然です。英語が苦手な人は know yourself / understand yourself でも十分です。
①「〜することが…ではない」
Standing in front of a mirror all the time does not mean knowing oneself. とします。does not mean … は「…を意味するわけではない」という便利な表現です。
②「しじゅう」
all the time、constantly、again and again などで表せます。
①「〜しても」
even if でもよいですが、この文では may stand before a mirror constantly and still … のように still を使うと自然です。
②「いつまでも知らない」
still never come to know themselves とすると、「結局いつまでも分からない」という感じが出ます。
①「〜そのもの」
the very desire to … が便利です。very はここでは「とても」ではなく「まさにその」という意味です。苦手な人は the wish to look at yourself in a mirror でも伝わります。
②「かえって妨げる」
prevent A from doing を使い、prevents one from knowing oneself とします。苦手な人は stop you from knowing yourself と書いても同じ意味です。
①「重ねておく」
コップの場合は place one inside the other、または put one inside the other が自然です。
②「とれなくなる」
get stuck together がぴったりです。日常的で使いやすい表現です。stick together でも可。
①「無理に」
by force、または動詞 force を使って try to force them apart と書けます。
②「〜しかねない」
入試英作文では may で十分です。you may break them で「割ってしまうかもしれない」という意味になります。
①「外側のコップ/内側のコップ」
the outer glass、the inner one が簡潔です。別解なら the outside glass、the inside glass でも大丈夫です。
②「ぬるま湯」
正確には lukewarm water。英語が苦手な人向けなら warm water でも十分通じます。
③「簡単に離れる」
come apart easily、separate easily が使えます。
※赤字の例文をクリックすると音読されます。
| 単語・熟語 | 意味 | 使い方・例文 |
|---|---|---|
| know oneself 表現 |
自分自身を知る |
It is difficult to know oneself. 自分自身を知るのは難しい。 |
| seem easy 表現 |
簡単そうに見える |
The question seems easy, but it is not. その問題は簡単そうに見えるが、そうではない。 |
| and yet 接続表現 |
それにもかかわらず、しかも |
It seems simple, and yet it is very deep. それは単純に見えるが、実はとても奥深い。 |
| stand in front of ~ 熟語 |
〜の前に立つ |
She stood in front of the mirror. 彼女は鏡の前に立った。 |
| all the time 熟語 |
しじゅう、いつも |
He looks at his phone all the time. 彼はしじゅう携帯を見ている。 |
| does not mean ~ 表現 |
〜を意味するわけではない |
Knowing many words does not mean speaking well. 多くの単語を知っていることが、上手に話すことを意味するわけではない。 |
| come to do 熟語 |
やがて〜するようになる |
I came to understand the meaning later. 私は後でその意味が分かるようになった。 |
| the very ~ 強調表現 |
まさにその〜 |
The very question is important. まさにその問いが重要だ。 |
| desire to do 名詞句 |
〜したいという気持ち |
The desire to win made him nervous. 勝ちたいという気持ちが彼を緊張させた。 |
| prevent A from doing 熟語 |
Aが〜するのを妨げる |
Fear prevented him from speaking. 恐怖が彼に話すことを妨げた。 |
| one inside the other 表現 |
一方をもう一方の中に |
Put one cup inside the other. 一方のカップをもう一方の中に入れなさい。 |
| get stuck together 熟語 |
くっついて取れなくなる |
The two glasses got stuck together. 二つのコップがくっついて取れなくなった。 |
| force A apart 熟語 |
Aを無理に引き離す |
Do not try to force them apart. それらを無理に引き離そうとしてはいけない。 |
| by force 熟語 |
力ずくで、無理に |
He opened the door by force. 彼はドアを力ずくで開けた。 |
| lukewarm water 名詞句 |
ぬるま湯 |
Put the glass in lukewarm water. そのコップをぬるま湯につけなさい。 |
| the outer glass 名詞句 |
外側のコップ |
Warm the outer glass first. まず外側のコップを温めなさい。 |
| the inner one 名詞句 |
内側のもの |
Pour cold water into the inner one. 内側のものに冷たい水を入れなさい。 |
| come apart 熟語 |
離れる、ばらばらになる |
The two glasses came apart easily. 二つのコップは簡単に離れた。 |
| separate easily 表現 |
簡単に離れる |
They will separate easily. それらは簡単に離れるだろう。 |
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